強み・弱み・機会・脅威に分けて会社の内部環境と外部環境を検討する「SWOT分析」は戦略を考える上で有用なツールです。

 しかし、このような分析をしても、あまり意味のない組織があります。豪傑寺部長と鷲沢社長の会話文を読んでください。

○鷲沢社長:「先日の社内勉強会でSWOT分析のレクチャーがあっただろう。当社のSWOTについてどう考えた」

●豪傑寺部長:「はい。強みのSは品質です。弱みのWは差別化、機会のOは東京オリンピック。脅威のTは外資系企業の新たな参入。私はこう書きました」

○鷲沢社長:「なるほど。いい線をいっているじゃないか。で、営業部長の君としてはどうする」

●豪傑寺部長:「私ですか? 目の前の仕事を大事にして一歩一歩やり遂げよう、このように思っています」

○鷲沢社長:「そうだろうな、だいたいそんなもんだ」

●豪傑寺部長:「社長、何か仰りたいことがあるのでしょうか。私が目の前の仕事をきっちりこなそうとしていることに問題があるとでも?」

○鷲沢社長:「問題とは言っていない。ところで君自身のSWOTは何だ」

●豪傑寺部長:「私自身……ですか? うーん、即興で言いますけれど、強みのSは……あえて挙げれば経験でしょうか。弱みのWはクロージング力、機会のOは勉強会の講師に今年抜擢されたこと。自分の知識を生かしてキャリアアップできそうです。

 脅威のTは後輩の課長ですかね。成績を伸ばしているのが数人いますので、私の部長の座も安泰かどうかわからないってところでしょうか」

○鷲沢社長:「なるほど。君の機会は講師に抜擢されたことか」

●豪傑寺部長:「そうです。私にはチャンスだと思ってます。新たな経験が積めますから」

○鷲沢社長:「勉強会の講師をこれまでやったことがないのか」

●豪傑寺部長:「ええ。初めてです」