○鷲沢社長:「何を驚いている。博打は止めて予材管理をきっちりやれ」
●獅子山課長:「目標予算の2倍の額の営業材料を予め仕込み、それを育てていくやり方ですよね。予材だったら私の場合、2倍どころか、目標の3.5倍ぐらいあります」
○鷲沢社長:「中身がおかしい」
●獅子山課長:「どういうことですか。目標の2倍あればいいわけですよね」
○鷲沢社長:「あのなあ、極端な話、1億円の予算に5000万円の予材が4件あったら、それだけで2倍になる」
●獅子山課長:「当然でしょう。予材管理ってそういうことでしょ?」
○鷲沢社長:「違う。いいか、予材といっても半分以上が仮説だ。4件しかない予材のうち半分駄目にするかもしれん。そうなったら未達成に終わる確率が一気に高まる」
●獅子山課長:「じゃあ、どうすればいいのですか」
○鷲沢社長:「一つひとつの予材の規模をもっと小さくすることだ。500万円の予材なら、2億円積もうとすると40件必要だ」
●獅子山課長:「40件? そんなに仕込んでられません」
○鷲沢社長:「だから大量行動が必要なんだ!」
●獅子山課長:「効率が悪すぎませんか。とにかく目標を達成できたらいいわけでしょう」
○鷲沢社長:「達成できていないじゃないか」
●獅子山課長:「聞いてなかったのですか。時々、大きく未達になる年もありましたが、大きく勝つこともできています。この5、6年をトータルでみたら達成率は100%を超えていますよ」
「経営をなめてんのかっ」
○鷲沢社長:「経営をなめてんのかっ、この7割野郎が。いや、お前はただの馬鹿野郎だ!」
●獅子山課長:「えええっ……」
○鷲沢社長:「この5年間で2勝3敗なんだから、お前はできない営業の典型だ! 経営は予算達成を前提に色々な計画を進めている。5年間で5勝0敗でないと認められない」
●獅子山課長:「典型的な、できない営業って……まったく思っていませんでした……そうですか……やはり、そうですよね」
○鷲沢社長:「どうした。さっきまでドヤ顔だったのに?」
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