今回はハードワークの勧めです。ハードワークを常時やっていないと、考える力が失われ、頭が整理できなかったり、言われればわかるのに自分から答えをまとめられなくなったりしていきます。

 鷲沢社長と球田コンサルタントの会話を読んでみてください。

○鷲沢社長:「営業の顧客訪問件数、上がってきたな」

●球田コンサルタント:「この3カ月間で月間訪問件数は平均すると80%アップ。一番アップした選手、いえ、営業は210%でした」

○鷲沢社長:「大リーグ仕込みの君のやり方に感謝だ。何事も足腰から。それを鍛えるには超一流のアスリートを育ててきた君みたいのが適任だ」

●球田コンサルタント:「ありがとうございます。もっとピッチを上げていきます」

○鷲沢社長:「営業目標の2倍の材料を予め仕込む予材管理の考え方も定着してきたかな」

●球田コンサルタント:「敵に予材のポテンシャルがあるのか、もしあるなら予材資産として蓄積できるか、ということを考えて訪問できるようになってきました。繰り返し訪問する目的は売り込みではありません」

○鷲沢社長:「お客様を敵と呼ぶ君の言い方にはいまだになじめんが、売り込みのために訪問件数を上げろというほどには暴力的じゃないな」

●球田コンサルタント:「売り込みのためのハードワークはきつい。強いても無理です」

○鷲沢社長:「まず訪問という量をこなしてからでないと、売り込みの質を上げることはできない」

●球田コンサルタント:「量質転化の法則は世界の常識。やってみればわかります」

○鷲沢社長:「抵抗した営業もいただろう」

「ベテランほど抵抗します」

●球田コンサルタント:「ベテランほど抵抗しました。あまりに抵抗する営業に、すべての敵から組織図を手に入れ、キーパーソンを特定し、そのキーパーソンから3種類のヒアリングをしてほしい、と頼んだら2週間もしないうちに『できない』と音を上げました」

○鷲沢社長:「ベテランなのに足腰ができていなかったということだな」

●球田コンサルタント:「『組織図を入手』と言われただけで考え込む。しばらくすると訪問件数をいきなり減らそうとする」

○鷲沢社長:「なんだそれは。判断基準がおかしい」

●球田コンサルタント:「すべて、に引っかかってしまう。全社を回ることばかり考えていると1社あたりの訪問件数が減る。日頃から訪問していないのに、いきなり『組織図を下さい』と言ってもらえるはずがない」

○鷲沢社長:「それはそうだ。足腰だけではなく考えも足りないな」

●球田コンサルタント:「『知的筋力』が弱っている。考えればわかるのに、その筋力が鍛えられていない。そこで私が1日10件の訪問に同行し、彼に考えてもらいました」

○鷲沢社長:「そうしたら?」

●球田コンサルタント:「移動しながらでも考えられる。それをまず覚えてもらう。次の訪問先で組織図のことをどう切り出すか? その次の訪問先でどうするか? 到着するまでに電話をして確認したほうがいいか、など」