「私は部下の立場を考えて……」という言い方をする上司がいます。部下の事情に気を配っていると言いたいのかもしれません。それはマネジャーの姿勢としてどうなのでしょうか。

 次の会話文をお読みください。

●豪傑寺部長:「社長、4月から来期ですので予算編成の時期になりました。来期の目標予算をどう組むか、今から考えたいと思います。ついては予算編成会議の進め方ですが……」

○鷲沢社長:「その必要はない」

●豪傑寺部長:「え!」

○鷲沢社長:「何を驚いている。当社は大企業じゃない。予算編成会議などいらん」

●豪傑寺部長:「じゃ、じゃあ、社長が勝手に決めてしまったのですか」

○鷲沢社長:「何を言っている。営業部長のくせに、君は経営の視点がまったくない。よくそれで部長が務まるな」

●豪傑寺部長:「そ、そんな」

○鷲沢社長:「クリエイティブ部隊のトップならともかく、営業部のトップだぞ、君は。なぜわからんのだ」

●豪傑寺部長:「ちょ、ちょっと、待ってください。何を仰っているのでしょうか」

○鷲沢社長:「まさか本当にわからないのか」

●豪傑寺部長:「え……。そ、そう言われましても……」

○鷲沢社長:「仕方がない、ヒントを出してやる。どうして私は昨年、この会社に来た? しかもいきなり社長だ。どうしてだ」

●豪傑寺部長:「それは……。亡くなった先代の社長から、後を託す人として指名されたから、いらっしゃったのでは……」

○鷲沢社長:「そうだ。それで?」

●豪傑寺部長:「え、そ、それでって」

○鷲沢社長:「それで、なんだ?」