●日高人事部長:「間口をもっと広くします。極端かもしれませんが、当社に興味を持ってくれれば誰でもいいかと。そのかわり、面接できっちり絞り込んでいきます」
○鷲沢社長:「面接で当社に合っていると見抜けるのか」
●日高人事部長:「そうするために採用面接の研修を受けているところです」
○鷲沢社長:「研修? 誰が受けるのかね」
●日高人事部長:「私や人事部の面々です。1人20万円ぐらいかかる研修ですが役立ちそうです」
○鷲沢社長:「と言っても、1人の学生を面接するのはせいぜい1、2回だろう。当社にマッチした人材かどうか本当にわかるのか」
●日高人事部長:「そこはエントリーシートでフィルターをかけていこうと思っています」
○鷲沢社長:「話に一貫性がない。誰でもいいと言ったじゃないか」
●日高人事部長:「さすがに誰でもいい、というわけにはいきません。当社に興味をもってくれたら、と申し上げました」
○鷲沢社長:「どうもよくわからんな。興味をもってくれるという条件がフィルターになるのか」
●日高人事部長:「エントリー数を増やします。そうすれば、うちに合った人材が応募してくる可能性が高まります。今回はハードルを下げるわけですから100人ぐらいエントリーしてくるかもしれません。去年だって2人の枠に64人もエントリーがあったくらいですから」
○鷲沢社長:「なんだ、そういう話か。ちょうどいい、前から言おうと思っていたことがある。君たち人事部は求人サイトに金をかけすぎだ。あれだけ使えば、そのくらいのエントリーが来るのは当たり前だ」
●日高人事部長:「いえいえ、ネットでもっと露出をしていかないと学生の目に留まりませんよ、今の時代は」
○鷲沢社長:「わかっていると思うが当社は再建中の身だ。採用にそんなに金をかけるわけにはいかん」
●日高人事部長:「何を言っているのですか。人に金をかけなくてどうします。けちくさいことを言う経営者のところに、いい人材は集まってきません!」
○鷲沢社長:「人じゃない、私は採用に金をかける必要はないと言ったんだ。従業員のためにはしっかり金を使うつもりだ」
●日高人事部長:「それは結構ですが、そもそもの採用をうまくやらないと、金をかけるに値する新人を採れませんよ」
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