●球田コンサルタント:「獅子山課長はどうしてお客様を紹介されるのですか」

○獅子山課長:「え」

●球田コンサルタント:「これがあるから紹介してもらえる、という仕掛けか何かありますか、という質問です」

○獅子山課長:「……仕掛けではないですが、日頃から意識していることがあります。お客様から頂いた広告の仕事が終わったら、できるだけ早く、製作物をもって相手の社長のところへご挨拶にいきます。これまでの経緯をお伝えし、製作物をお見せして説明し、お礼を申し上げます」

●球田コンサルタント:「担当者ではなく、わざわざ社長のところに」

○獅子山課長:「挨拶にいく必要は本来ないのですが、いつからか習慣になりました。以前の上司が教えてくれたのです。相手の担当者も出来上がった製作物を社長にしっかり見せたいので、社長の予定をとってくれます」

●球田コンサルタント:「相手の社長から新たなお客様を紹介してもらえるわけですか」

○獅子山課長:「すぐには紹介してもらえません。紹介を狙って挨拶に行っているわけではありませんし。ただ、半年や1年、2年……と経ってから、突然仕事が舞い込んでくるのです」

「紹介は結果であってプロセスではない」

●球田コンサルタント:「相手に聞いてみたら『何々社長から御社を紹介してもらった』と言われるわけだ」

○獅子山課長:「そうです。意外なつながりがあるもので、『え!あの社長の紹介ですか』と驚くこともあります」

●球田コンサルタント:「数年経っても紹介があるということは、社長さんたちと仕事が終わった後、たびたび会っているのですか」

○獅子山課長:「いえ。もちろんお会いしたいのですが相手は社長ですからなかなか。それでも毎月1回、ハガキを手書きして送っています。忘れられないようにと思って」

●球田コンサルタント:「立派な仕掛けがあるじゃないですか。営業の王道ですよ。受け身ではなく、きちんと攻めの営業をされている。紹介が増えているのは結果に過ぎない」

○獅子山課長:「そ、そんなものですか」

●球田コンサルタント:「ところで部下に『お前たちも俺のように紹介営業ができるようになれ』とか言っていないでしょうね」

○獅子山課長:「えっ! 言っちゃいけないんですか」

●球田コンサルタント:「いけません。先ほども言った通り、紹介は結果です。『紹介をもらえ』と言うのは『結果を出せ』と言っているのと同じ。何をどうやったらいいのか、部下にはピンとこない」

○獅子山課長:「うーん。そうかもしれません」