営業の採用方針は「経験者採用」に

●球田コンサルタント:「確かに経営や営業と野球は違うかもしれない。日本とアメリカも文化は違う。でも、仕事は仕事。仕事に対する姿勢は仕事に対する姿勢です。忙しいから仕方がない、その程度の気持ちで仕事をしているということです」

○鳥山人事課長:「……」

●球田コンサルタント:「採用の仕事とは何ですか。戦力になるであろう人物を見つけ、条件を提示し、くどき、加入してもらう。こう考えれば、野球だろうが営業だろうが、日本だろうが、アメリカだろうが、みな同じです」

○鳥山人事課長:「うーん」

●球田コンサルタント:「大リーグのスカウトが、どれぐらいの知識を持ち、情報を集めるために、日々どれぐらいの行動をしているか、知っていますか」

○鳥山人事課長:「知りませんよ。スカウトって採用だけやっているのでしょう」

●球田コンサルタント:「採用の努力をどこまでやっているか、という姿勢の話です。他に仕事があるので時間がないとか、そういう話ではありません」

○鳥山人事課長:「……じゃあ、どうしろと言うのです」

●球田コンサルタント:「営業の採用方針は『経験者採用』にしましょう。営業を新卒では採りません」

○鳥山人事課長:「な、なぜ」

●球田コンサルタント:「営業と野球で似ているところもあります。素質に大きく左右されること。営業の素質がない人を採用すると大変です」

○鳥山人事課長:「素質なんて見分けられますか」

●球田コンサルタント:「データです。そして履歴書。営業として過去どれぐらいの成績を残したのか。データとして履歴書にきちんと書いてあるどうか。この会社に入ったら自分としてどのような役割を担えるか、提案しているかどうか」

○鳥山人事課長:「……」

●球田コンサルタント:「自分という商品を売る。それが求職活動です。履歴書を適当に書く人は、営業の提案書も適当に書くに決まっています」

○鳥山人事課長:「新卒では見極められないと」

●球田コンサルタント:「データがありませんから。採用後に営業向きではないと分かったら、別の職種にさっと異動させる余裕が御社にありますか。結果を出している経験者を探しましょう」

信じられるのは過去のデータだけ

 営業の募集広告で「経験不問」という言葉を見かけます。営業は誰でもできると思ったら大間違いです。

 経験不問でもいい、と考えるのは営業のことを真剣に研究し、考察したことがない人だけです。

 営業経験者を採用するとして、その力をどう判断したらよいでしょうか。

 信じられるのは過去のデータだけです。それが履歴書にどう書かれているか。履歴書を読む相手のことを考えて書いてあるかどうか。この点を厳重にチェックしましょう。

 面接でコミュニケーション能力、表情の作り方、姿勢、態度をチェックしようとしても、それだけで見抜くことは難しいです。

 もちろん、新卒採用には相応のメリットがあります。大企業なら採用後に素質を見極め、しかるべき職種に就かせることが可能です。

 しかし中小企業の場合は、営業を経験し、結果を残している人材を探すべきでしょう。そのための採用コストをしっかりかけたいものです。