「働きがい」という言葉をしばしば耳にします。「働きがいを感じないから、やる気がしない」と言ったりします。この言い分は正しいのでしょうか。

 そもそも「働きがい」とはどういう意味なのでしょう。「働きがい」を精神的な報酬だとすると、給料や賞与といった金銭による報酬とは別に、余分の報酬が欲しいということになります。

 何かおかしくないでしょうか。次の会話文をお読みください。

●豪傑寺部長:「社長、お呼びですか」

○鷲沢社長:「ああ。知っていると思うが昨年9月に私が社長に就任して最初に打ち出した方針は『営業改革』だ」

●豪傑寺部長:「はい」

○鷲沢社長:「その土台となる考え方はわかっているな」

●豪傑寺部長:「『予材管理』ですね。予材とは営業の材料、常に仕込むように心がけ、目標の2倍の予材を積んでおく」

○鷲沢社長:「その通り。引き合いのあった案件に対応するだけでは『待ちの営業』に陥ってしまい、目標を達成できなくなる危険がある」

●豪傑寺部長:「予材を増やすために、お客様を積極的に訪問する。社長の意図は理解しております」

○鷲沢社長:「本当に腹に落ちているのか」

●豪傑寺部長:「どうしてそのようなことを」

○鷲沢社長:「本題に入るぞ。君は営業部長だ。積極的に訪問する営業の責任者であるにもかかわらず、私との接点が少なすぎる」

●豪傑寺部長:「そうでしょうか」

○鷲沢社長:「はっきり言おう。営業課長たちとの交流のほうがよほど多い」

●豪傑寺部長:「そ、それは社長がお忙しそうにされているので……」