「チームプレイができていません」
●球田コンサルタント:「はい。データを見れば分かりますがチームプレイができていません」
○鷲沢社長:「またデータか。私は銀行出身だからデータを見ることに慣れている。しかし君のデータ好きには負けるよ」
●球田コンサルタント:「まずAさんの1年間のデータを見てください。受注を1件とるのに、平均1.2人で商談を進めています」
○鷲沢社長:「1.2人って何だ」
●球田コンサルタント:「こちらもどうぞ。Bさんは平均3.6人です」
○鷲沢社長:「だから何の人数だ」
●球田コンサルタント:「1年間の営業記録から、商談ごとに営業担当者が接触した社員の数をカウントし、商談件数で割りました」
○鷲沢社長:「一つの商談に巻き込んだ社員数の平均ということだな」
●球田コンサルタント:「はい。Aさんは1.2人、つまり、ほとんど1人で商談を進め、ご自身でクロージングまでしています」
○鷲沢社長:「そうなのか」
●球田コンサルタント:「一方、Bさんは正反対です。上司である課長や部長、時には後輩、それからクリエイティブ部門の面々の協力を得て商談を進めています」
○鷲沢社長:「3.6人ということは、一つの商談に2人か3人を巻き込んでいるわけだな。それで2人の成績はどうだ」
●球田コンサルタント:「受注件数を商談件数で割った受注率を見ると、BさんはAさんの実に2.7倍です。2人は同期入社でスキルも同じように見受けられます。他の要因があるかもしれませんが、周囲をどのくらい巻き込んでいるかを示すこの指標に意味があると思っています」
○鷲沢社長:「なるほど……」
●球田コンサルタント:「いつもホームランを狙って打席に立っているか、状況に応じてバッティングを変えるか、その違いに似ています。自分ひとりで得点をあげるか、チームに協力して得点するか、の違いです」
○鷲沢社長:「『フォア・ザ・チーム』の動きができるかどうかということだな」
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