未開の地ナイジェリア

 アフリカといえばあらゆる資源が眠っている。たとえばダイヤモンドは世界一の量がアフリカに眠る。ウランなどの資源も同様だ。しかし、もっとも奪い合いになるのはやはり原油だ。

 さて、そのミャンマールートで中国がアフリカの開発を狙っていると前述した。現に中国はすでにアフリカからもっとも原油を調達しているのだ。中国はアフリカ投資、対アフリカODAを積極化していると報じられる。

 そこで、原油を調達する国と同時に、さらに自国製品を販売する国が存在すれば、それは中国にとっても他国にとっても「狙いどころ」となるだろう。まさにその対象国が、私がこのところよく聞くといったナイジェリアにほかならない。

 ただし日本の経済人にとって、ナイジェリアといっても半可通がほとんどだろう。GDPは5218億ドルにいたり、OPECの一員でもある。ナイジェリアは、国家の歳入の8割を原油が占めている。しかしそのパワーは絶大で、ナイジェリアのGDPは南アフリカを抜くにいたった。まともなGDP統計が存在しておらず、電気通信や金融業を加算すると、実はアフリカ第一の経済大国に「認定」されたのだ(なお原油の市況価格が下がった2015年の局面では、絶望的なダメージを受けたのも事実だ)。

 ナイジェリアでは、イギリスから独立するほんの4年前に原油が見つかった。これは独立する観点からは幸福でもあり、不幸でもあった。なぜならば、その独立前の1956年に原油が発見されてから、内部崩壊がもたらされた。内戦が勃発し、国が二分され、200万人が死んだとされる。現在ではイギリス企業の多数がナイジェリアに進出しており、新たな植民地主義ともいうべき資源の取り合いが生じている。

 欧米に原油を取られてきたナイジェリアだったが、このところ中国が積極的に介在している。原油を確保するために、立て続けに中国は二国間のプロジェクトを始動させた。これにより発電や原油施設などのインフラ整備に融資していく。

 アフリカに支援しても、結局は政府の腐敗によって、援助金のほとんどが活用されない。そんな指摘もある。ただし支援額の何倍にもいたる資源が全世界に供給され、まだアフリカの庶民は貧しいままだ。

 中国はナイジェリアから原油を調達する代わりに、それまでナイジェリア国産だった繊維製品を安価にナイジェリアに提供することとした。中国がしたたかなのは、ナイジェリアにとっても2007年以降は、米国ではなく中国が第一の輸入国となっていることだ。中国の狡猾な戦略によって、ナイジェリアは国内の繊維産業は斜陽となった。中国は原油をナイジェリアやアンゴラに依存している関係だったはずが、自国の安価な繊維商品によって、むしろ彼らが中国依存体質になっていった。

 もちろん政府は、原油が出て、それに依存すれば他の開発のインセンティブを失う。さらにモノを生産するよりも中国から調達したほうが安価で済む。そうなると地場産業の育成も進まない。