成功する共同調達とは

 ところで、この共同調達だが、コカ・コーラとキリンの組み合わせだけではなく、多様な領域で見られる。例えば東京電力は発電所の運営において、他電力グループ各社と資材の共同調達をもくろんでいる。

 またサントリーは米ビームを買収したが、樽や原材料の共同調達を行っている。この取り組みは営業利益の伸びに貢献したと見られている。

 最近で最も有名な組み合わせは、三菱自動車と日産自動車だろう。グループの強みを最大に発揮するために、部品の共同調達を行う。もともと日産は、ルノーとの共同調達組織も持っているから、以前と比べると購買量をかなり増したことになる。

 ところでこれまで無数の共同調達が発表され、そして一部は成功し、そして大半は失敗していった。あるいは一過性のもので終了していった。この境界線はあるのだろうか。

 コンサルタントの経験からすれば、それはけん引する部門の存在にある。例えば、実際のビジネスに間接的にしか関わらない本社管理部門がけん引し共同調達を進めようと思えば、現場のニーズと乖離してしまいうまくいかない。うまくいく場合は、現場の部門が調達量をとりまとめたり、あるいは仕様統一に動いたりすることだ。そして、それぞれの調達品の量が最も多い現場部門がけん引することが肝要だ。

 もともと量が多い部門は、サプライヤーに対する交渉力を増すために、積極的に動く。なぜならば、それが自部門利益と直結するからだ。さらに、その量の多い部門に相乗りすることで、他企業・他拠点は努力せずに安価なコストで調達できるようになる。本社の掛け声だけではなく、そこには実行者のインセンティブを考慮した取り組みが必要なのだ。

 世界の飲料業界では合弁を繰り返しながら、サプライチェーンの効率化をとことん目指している。その切り札となるのが、共同調達や共同配送によるコスト削減だ。サプライチェーン改革が始まろうとしている。