共同調達の連携分類

 ところで、このいわゆる共同調達とは、文字通り複数の企業や企業内拠点が、一緒になって物品等の調達を実施することだ。これには3つの分類がある。

  1. 完全統合タイプ:サプライヤーおよび部品・サービスを共通化し、調達ボリュームを増やし価格交渉力を増すもの。それに伴い、同時に業務効率化を図っていく
  2. 交渉統合タイプ:部品・サービスの共通化までは図らないが、調達を統合することでサプライヤーごとの調達量を増やし価格交渉力を増すもの
  3. 業務代行タイプ:調達業務を共同で行い、間接費等のコスト削減に努めるもの

 またややこしいのだが、将来における調達戦略を共有し、実際の発注業務は各社が今まで通り発注処理を行う場合も共有調達と呼ぶケースもある。ただ、おおむね、前述の3通りが共同調達の代表例と考えて良い。

 この3分類で、コスト削減効果の高い順に1→2→3となる。「1.完全統合タイプ」は実際にサプライヤーの生産コスト低減につながっている。それまで10個しか調達しなかったものを、共同調達によって20個を調達するようになれば、サプライヤーの生産コストも引き下げることができる。

 少量生産の場合、特に累積生産数量がコスト削減の大きな要素となる。累積の生産数が増えるほど、作業効率が向上し、段取り時間も短縮化が見込まれるからだ。

 例えば、物品の場合、コストを次のように分類できる。

  • 材料費
  • 労務費
  • 設備加工費
  • 金型費
  • 経費

 このうち、生産量が増えるたびに効率化が見込まれるのは、「労務費」「設備加工費」(そして少額ではあるものの「経費」)と考えられる。少量生産だった場合、この効果は、累積生産数量が倍になると、一般的にはマイナス20%くらいになるといわれる。

 例えば、100円の製品があったとして、そのうち「労務費」「設備加工費」の占める割合が20円程度だったとしよう。すると、数量が倍になれば4円程度削減できる。これは価格と比べると4%となり、コスト削減効果はきわめて大きいことが理解できる。

 逆にいえば、「2.交渉統合タイプ」ではサプライヤーの1つひとつの部品における生産数量を増やすわけではない。だから効果は限定的となる。もちろんサプライヤーからすれば、接する企業数が2社から1社になるため、効率的なのは間違いない。しかし、経費の微々たるところがコスト削減できるにすぎない。

 ただ、この「2.交渉統合タイプ」は「1.完全統合タイプ」に対して効果は落ちるものの、無意味ではない。というのも、サプライヤーからしてみれば交渉相手との関係が増えているのは間違いないからだ。共同調達といっても、既存のバラバラな発注が合わさっただけかもしれないが、今後は仕様統一やサプライヤー集約を試みるかもしれない。とすれば、今後もサプライヤーとして選ばれるために、価格を安価にするなどの交渉ができる。