まっさきに目に入るのは未来構想を誇示する展示場だったが、係員に聞いても、いまだ一般公開されていないようだ。さらに、いたるところでプラスティックの仕切板に挟まれながら工事が続いていた。この雄安新区市民サービスセンターはかなりの大きさがあり、企業スペースや、展示場、コンベンションセンターだけではなく、飲食店も居住地も、ホテルもある。

あちこちで工事が続けられている

 そこで、この雄安新区市民サービスセンターのなかで気になった3箇所と説明を述べたい。

1.無人コンビニ

 現在、米国ではアマゾンが「アマゾン・ゴー」という無人コンビニを流布しようとしている。説明が不要なように、これはアマゾンIDで入店し、商品を手に取りさえすればセンサーが察知し、それぞれのお客が何を購入するかを自動計算してくれ、そのまま退店すれば決算が完了するものだ。

 人手不足も払拭するし、なにより効率化が進む、この無人コンビニへの期待は大きい。また、なによりも近未来のアイコンとして、この無人コンビニが注目されている理由がわかる。

 この雄安新区市民サービスセンターにも無人コンビニが設置されているというので行ってみた。アマゾンIDが不要の代わりに、中国騰訊控股(テンセント)が提供するコミュニケーションアプリ「WeChat」が必要だ。ガイドの力を借りて、入店から商品の購入まで、実に30分を要した。ただ、これはいくつかの認証が必要なためで、中国人にとってアマゾンとくらべて劣っているとはいえない。

無人コンビニの外観

 ただし、気になったのは、その陳列だ。客が殺到しているためか、棚はガラガラ。さらに残りの商品も、いわゆる横陳列というもので、工夫が見られない。さらに棚長も低く、見世物としての役割しか担っていない。

棚には空きスペースが目立つ
商品に取り付けられたRFIDタグ

 さらに、店員は多く、お客の入店補助から、レジの誘導まで、かなりの人数がいる。

 さらに、予想外だったのは、購入したものを自動で認識して支払いするのではなく、単に商品に貼り付けられているタグを読みこんで認識するという点だ。日本でも商品に一つひとつRFIDのタグを貼れば、近似のシステムはできるだろう。しかし、実際に、一つひとつにタグを貼り付けるのは現実的ではない。だからこそ、アマゾン・ゴーのような、センサー技術が必要とされたはずだが、この「無人」コンビニでは、むしろ、段取りに相当な時間がかかりそうだ。