いくらで買収したかは不明だが、いくつかの記事によると、50億ドル程度とされている。しかし、統一されている情報があるわけではない。

 同社は3Dボディー・モデリングの企業だ。これは、人間の身体を3D情報として生成する技術を指す。たとえば特定の顧客がいるとして、その写真などの平面情報から、その3D情報を予想する。だから、その体型情報の3Dモデルをもとにさまざまシミュレーションができる。クライアント企業は、顧客向け商品やサービスを効率的に提供できるというわけだ。

 また定期的に3Dボディスキャンをすることによって健康管理などもできる。体型の変化などをデジタル処理することで、本人が自覚しないような微差を見つけられるわけだ。

アマゾンはいかに3Dモデリングを活用するか

 アマゾンはこのところ、自社のアパレルサイトに力を入れている。米国ではオリジナルブランドも持つアパレルメーカーだ。だから、顧客がアマゾンから購入するときに、顧客の体型情報をもっていれば、それは返品の防止に活用できる。もっとも、「あなたの体型では、この衣料は小さすぎる」と警告コメントが出てきたら、気持ち悪いのを通り越して、腹立たしい感じではある。ただ、アマゾンのことだから「この商品と一緒にこんなものが売れています」と短期間のダイエットキットも販売してくれるかもしれない。

 また、これは意外に知られていないが、米国アマゾンプライム会員は「Amazon Prime Wardrobe」というサービスによって、試着を購入前に実施できる。実際にアマゾンのサイトでは、ダンボールで衣類・靴・バッグが送られてくるサービスの内容が確認できる。リアル店舗に対抗するため、購入する前の試着は当然とし、さらにはまとめ買いで最大20%安くなる。

 当然ではあるものの、試着の際に、そもそもお客のサイズと異なるものをあらかじめ排除できれば、返品の率を下げられる。さらには、購入につながる率の高い衣類を送付できるだろう。

アマゾンエコーとの連携

 アマゾンはこのところ、アレクサという音声認識技術を使い、IT端末「エコー」などのツールを展開している。これは、文字通り、話しかけることで、さまざまな動作を可能とするものだ。家庭の真ん中に居座るエコーに、「音楽をかけて」といえば音楽を流してくれる。「何か注文して」といえばオムツだって買ってくれる。さらには、家庭内のデバイスも管理してくれる。

 さらにアマゾンはこのエコーで、ファッションチェックもやってくれる。なんと、おせっかいで素晴らしいツールだろう。英文では“judge your outfits”とある。文字通りあなたのファッションセンスを判断してくれるのだ。これによると、あなたが2枚の写真を選択できる。そのうち、今日、似合うのはどちらかを、アマゾンのエコーが自動的に判断してくれるのだ。

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