
私は、かなりの頻度で展示会に出向く。純粋に情報収集のときもあるし、知人の企業から呼ばれる場合もある。また、展示会で講演をしに行く場合、聴きに行く場合もある。たとえば先日は、東京ビッグサイトで開催された「国際物流総合展2018」を訪れ、可能な限りの企業を回った。思わぬ展示物に驚いたかと思えば、何を展示しているのかわからず通り過ぎたものもあった。
前回のコラム「展示会を再考、キャンギャルでの集客は効果的?」では、訪問者側の立場から展示会について述べた。私は展示をする側ではないし、展示会をコンサルティングする立場でもない。あくまで、調達・購買コンサルタントの立場から、「こんな展示企業は見に行く気がしない」ものを率直に書いた。さらに、今回も述べてみたい。
展示会場での立地
ここでは、展示会のなかで、どこに場所を取るかが重要であると指摘したい。
その前に、ちょっと話は変わるようで変わらないが、小売店の棚について紹介する。

これは、店舗のフロアを、天井から描いたものと思ってほしい。●はお客で、矢印が動線だ。そうすると、店舗の棚「★」と「▲」でどちらに目玉商品を置くだろうか。これは当たり前だが、「★」である。進行方向から考え、「★」箇所に目は行くが、「▲」にはなかなか目が行かない。
たとえば、クルマを運転していて、なにか店を探していたとする。そして、さらに、カーブを曲がるとする。カーブの外側と内側と、どちらに目が行くだろうか。間違いなく外側だ。したがって外食企業は、カーブの外側に店舗を構えたいと思う。
前述の例で、メインの動線が図のようだとすれば、まず「★」に訴求する商品を置いて、そのうえで振り返ってもらって「▲」に比較商品を置くほうがいい。
この考えを応用すれば、展示会における場所取りの戦略が明らかになる。

これも展示会場を天井から書き写したものと考えてほしい。そしてメインの動線が図の矢印のように流れていたとする。そうすると、①の企業ブースと、②の企業ブース、どちらが目に入るだろうか。これは自明で①だ。よって、②は注目される機会が少なくなってしまう。
メイン動線に対して、出店場所がどうかは注意していいはずだ。
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