決算発表の際に電動車戦略に触れるトヨタ自動車の豊田章男社長(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 今月9日に発表されたトヨタ自動車の2018年3月期連結決算では、純利益が36%増の2兆4939億円と過去最高になった。2019年3月期決算では若干減少するものの、それでも純利益は2兆円を突破する見通しだ。

 好調なトヨタの業績を支えるのが、日本の製造業を象徴する産業構造を形成するサプライヤーである。取引先で構成される「協豊会」の会員は、4月1日時点で227社を数える。サプライヤーの力を徹底活用するのが、長年にわたってトヨタ自動車の独自性を貫くサプライヤー管理である。

 遡ること約20年、トヨタの姿勢を明確に示す事件が、1999年の10月に起こっていた

トヨタと日産、正反対のサプライヤー戦略

 同年、経営不振により仏ルノーから出資を受けた日産自動車。当時の最高執行責任者だったカルロス・ゴーン氏は「日産リバイバルプラン」と呼ばれた大胆な企業変革を目的とした経営再建策を発表した。当時1145社あった取引先を600社以下に削減するとした大胆な計画は「ゴーン・ショック」と呼ばれ、多くの業界・企業のサプライチェーンとサプライヤー管理に影響を与えた。

 当時の日産自動車のサプライヤー戦略は「1部品1社発注」であり、サプライヤーの競争力を重視していた。当時の三菱自動車も「世界最適調達」と銘打った、従来存在した日本的な「企業系列」を否定したサプライヤー戦略を展開した。欧米の自動車部品メーカーは独立性が強く、自動車メーカーと部品メーカーの系列に依存しないオープンな取り引きが、自動車業界の「世界標準」ともてはやされたのである。

トヨタのサプライヤー管理

 しかし、そのような時流の中にあっても、トヨタ自動車はグループの結束強化に動いていた。主要部品メーカーへ会長級の人材を派遣し、部品メーカーの経営の自主性よりも、部品メーカーの競争力を囲い込んで自動車メーカーとしての競争力を維持・拡大する戦略を採用したのである。

 こういった考え方は、現在まで脈々と継続している。5月14日に発表されたアメリカの自動車メーカーとサプライヤーの関係性に関する調査結果では、トヨタ自動車のみわずかながらではあるものの関係性が改善されたと報告された。

 このリポートの結果は、トヨタ自動車がグローバルなビジネス展開に際して、企業としての基本的な考え方をグローバルに展開している証しである。過去に築いた、サプライヤーとの良好な関係が、業績向上の源になっている確信が、海外においてもサプライヤーとの良好な関係の構築につながっているのである。

 しかし自動車業界、そしてトヨタの将来は、現在の好業績をもってしても、決して楽観視はできない。どちらかと言えば、不安要素が山積している。

HV車販売禁止の衝撃

 今月の初め、イギリス政府がガソリン車、ディーゼル車に加えて、ハイブリッド車の販売禁止の方針を検討しているとファイナンシャルタイムズが報じた。この変更によって、イギリスでは現在販売している自動車の実に98%が販売できなくなる。