(写真=ロイター/アフロ)

 ひとは成功してしまうと、その成功経験が将来の障壁となる場合がある。それは、クレイトン・クリステンセンの傑作書「イノベーションのジレンマ」でも書かれているとおりだ。企業が巨大な成功をしてしまうと、そのビジネスを完全否定したり、そのビジネスから撤退したりするタイミングを逸してしまう。そして傷口が広がり続け、いつの間にか、凋落していく。

 それは、大企業でなくてもそうかもしれない。

 たとえば、中小企業で昔、グーグルのPPC(ペイ・パー・クリック)広告が流行した。ターゲットに思い通りに宣伝広告が届くのであまりにも効率的だった。グーグルPPC広告一本足打法で集客していた企業もいるほどだ。

 しかし、少なからぬ企業が、PPC広告の効果が薄くなったり、広告単価が信じられないほど高騰したり、あるいはアカウントを凍結されたりしてしまうと、とたんに行き場をなくす。あるいはツイッターでもいい。アカウントが凍結してしまえば、その依存度が高いほどすべてを失う。

 フェイスブックのみで集客している企業、あるいはLINEなどさまざまなツールのみに頼っている企業がいる。ただし最近は、フェイスブックでも商業広告の効果が薄れてきたというし、これまでのようになんでも宣伝できるかはわからない。

 共通しているのは、何かのプラットフォームに依存しすぎる点だ。結局は、地道に顧客リストを集めて、ダイレクトメールを送付している“非効率”な企業のほうが、中長期的には優位かもしれない。

 ひとは、うまくいっているときには、現状がずっと続くと信じている。しかし、これまでずっと謳歌できた時代はない。

アマゾンプラットフォームの驚異

 話は変わる、ようで、変わらない。

 調達・購買コンサルタントをやっていると、顧客とは常に新たな取引先・サプライヤーを模索する方法論について議論する。現在のサプライヤーだけと付き合っていると、コスト競争力が低下するだけではない。新たな技術を摂取することもできないし、生産キャパ確保もできない。営業をやっていると、売り先を見つけるのに苦労するものの、調達・購買側だって、毎日のように新規取引先を探すのに苦労している。

 ところで、アマゾン・ドットコムがBtoB(法人対法人)向けのビジネスを拡大しているのは承知のとおりだ。間接材といわれる、事務用品等の分野からはじめて、工場内での消費財に広げ、さらにさまざまな商材の取り扱いにまで範囲を拡大している。