CESに隠れていたNRF

 米国のラスベガスでは、国際展示会「CES 2018」が開催された。ご存知の通り、これはコンシューマー・エレクトロニクス・ショーの略で、家電のみならずIT機器類や、自動車を含めた最新技術を各社が披露する場だ。日本からも多くが出展している。ここで注目を浴びて世の中に出ていこうとするスタートアップも多い。日経ビジネスオンラインでもCESに関する複数の記事が出ている。

 ところで、このCESに比べるとやや知名度で劣るものの、小売業の祭典である「NRF Big show」も2018年1月14日から16日までニューヨークで開かれた(正確には「NRF 2018 Retail's Big Show & EXPO」)。NRFは、National Retail Federationの略で、全米小売協会だ。同じく、ここでは小売りの先端を知ることができる。CESもそうであるように、Big showの様子も、動画などで確認できる。

 インターネットの世界はさまざまな技術が百花繚乱で、ビジネスのゲームも入れ替わる。ただし、リアル店舗で販売している分には、その変化の波を感じづらい。何かを仕入れて、店を清掃し、陳列して、売って……といったプロセスのなかに、激変を予期できないためだ。

 しかし、このブリック・アンド・モルタルと呼ばれた分野でも、それまでのプロセスを刷新しようと、さまざまな企業が参入している。

小売りの先端事例

 たとえば、アリババのカスタマーサービスが、顧客の問い合わせの大半をAIで処理している、といった話くらいは予想の範疇だ。しかし、いま一番の勢いがある下着販売業の「COSABELLA」が、ホームページの自動補正までをAIに委ねているというのは、時代の流れを感じさせる。一般的にA/Bテストといわれ、二通りのページを用意し消費者のウケが良かったほうを選択するこの方法だが、同社ではさらにデザイン、サイズやフォント種類までの選別を機械にやらせている。下着、と思わずに、前述のページを見ることをお薦めしたい。

 また、オークションサイト「eBay」の取り組みも面白い。eBayは、販売者が写真を撮影し、それをアップロードする。しかし、その量があまりに多数であり、かつ出品者に応じて、名称の書き方が微妙に異なる。そこで同社は、ソーシャルメディアにある写真と商品名のデータを機械学習させることで、統一感のあるデータベースを作成している。

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