昨年、国土交通省が行った道路貨物運送事業者の業務時間中の荷待ち時間に関する調査では、多くのトラックが、荷物の積み込みあるいは配達で待機を強いられている現実が明らかになった。2015年に、やはり国土交通省が行った別の調査では、1運⾏当たりの平均荷待ち時間は1時間45分だった。トラック運送業者の置かれた厳しい現実は続いている。

 業務改善の基本は、まず無理、無駄、ムラの排除だ。貨物を運ぶのが仕事であるトラック運送業者のドライバーにとって、待機時間は無駄以外の何物でもない。しかし、多くのドライバーが毎日無駄に付き合わされつつ、顧客との契約事項である納入時間を守るべく、トラックを走らせているのである。

納期遵守のプレッシャーに苛まれるドライバー

 どんな企業でも、納入日や時間を順守する意識と責任感があるだろう。そういったプレッシャーは、トラック運送業者のドライバーが受けている。国内物流の主役であるトラックのドライバーは、40代~50代の中年層で占められている。全産業平均と比較しても中年層の割合が高い。

 「働き方改革」の実践に伴って、物流においてもさまざまな施策が取られている。昨年7月から、車両総重量8トン以上または、最大積載量5トン以上のトラックには、荷待ち時間に関する記録を義務付けられた。快適で便利な生活を支えるサプライチェーンを維持するためにも、荷待ちを解消して、ドライバーの労働を短縮することは喫緊の課題である。しかし、荷待ちの問題はトラック輸送業者の自助努力だけでは解消しない。

荷待ち必然のジャストインタイム

 荷待ちとジャストインタイムを合わせて考えると、企業間物流の抱える問題点が浮き彫りになる。多頻度のジャストインタイム方式による納入指示は、発注企業にとって在庫を極限まで減らす効率的な仕組みといわれてきた。しかし、トラック輸送業者を悩ます荷待ちは、ジャストインタイムそのものが発生源になっている。発注企業の効率追求のために、サプライチェーンを担う重要な「物流」が抱える大きな無駄をそのままにしてよい話ではない。

 まず、日々刻々変化する交通事情によって輸送時間が変動する問題がある。出荷地と着地が同じであり、高い頻度で輸送をする場合でも、毎回同じ時間で輸送できるとは限らない。そういった不安定な輸送環境の下で、ジャストインタイムを実現しようとすれば、時間通りに届けられないかもしれないリスクへの対処が必要だ。

時間通りに納入するために、余裕を持って輸送しても、着地で荷降ろしまでの荷待ちが発生する。荷待ちは出荷時だけではなく、荷降ろし時にも発生している事実は調査結果が示している。ジャストインタイムで指示された時間よりも前に到着したからこそ荷待ちが発生しているケースも多いはずだ。