ただ、様々な建物の建設は盛んになっており、建機などの音が鳴り響いている。そしてトラックがひっきりなしに出入りしている。企業として有名有名なのは、真っ先に進出を決めたスズキだ。スズキはこの経済特別区の開業以前から同国での活動を始めていた。そして今回、販売台数の増加を見込み、新工場をティラワに建設する。スズキのみならず、日系企業はこの特別区と40社弱が契約を締結しており、写で様々な国旗がはためいているように他国企業の進出も決まっている。

 これまで日本を含む海外企業がミャンマー進出へ二の足を踏む理由に、電力等インフラの未構築と法制度の未整備があげられた。同国は停電が多いことで有名だが、経済特別区に発電機が新設されれば、その悪条件は緩和するかもしれない。同国は大半の電力源が水力発電で、火力発電が残りを担う。このティラワ経済特別区では配電線を強化すると同時に、発電機の設置が決まっている。

 また、法制度の未整備という点では、特に会社の設立と進出がきわめて難しいことで知られていた。ただ、ティラワ経済特別区は日本とミャンマー初の合弁事業ゆえに、会社設立・進出の面でも改善が見込まれている。実際にティラワの着工は、テイン・セイン大統領が訪日してから、たった1年半後のことだった。

ティラワ経済特別区をとりまく環境

 ティラワ港では、Myanmar International Terminals Thilawa(MITT)と呼ばれる国際港が運営を開始している。この港には、中古車が所狭しと並べられており、なかには商業車やトラックなども多い。日本からやってきたのか、バックウィンドウに「ドライバー募集」の紙が張られたままのバスも多かった。

 ここティラワ経済特別区とヤンゴンのダウンタウンとを結ぶのはタンリン橋だ。ここはかつて中国の支援で設立し、通行料を支払うことで渡ることが可能だ。タクシードライバーが窓から紙幣を差し出せば、見事な手さばきで関門に立つ担当者が紙幣を取っていく。

 ただ、私が実際にタンリン橋を通った感じでは、片側一車線のため心もとない気がした。ロジスティクスの交通量が増えればネックとなりうる。また、老朽化が問題となっており、建て替え、あるいは代替橋が求められているという。実際に、あまりに過荷重なトラック等は通ることができない。