センスがいい人たち向けに特化したキュレーション

川島:信頼できる専門家が選んで提案するって、『ポパイ』のような雑誌の編集者の仕事と同じですね。

設楽:僕はもともと、ファッション小売りの中で、ビームスのような「セレクトショップ」は雑誌に近いと感じていました。なぜなら『ポパイ』なら『ポパイ』ならではの情報を、ビームスならビームスならではの情報を選んで編集しているから。コンテンツビジネスという点でも、ビームスと雑誌はよく似ています。たとえば、トレンドの先端を行く服はグラビアページ、ロングセラーの定番アイテムは連載ページといった具合です。

川島:だとすると、いろいろな編集の切り口、考えられそうです。楽天以外の場でも、ビームスはそういった取り組みをされているんですか。

設楽:あります。東急ハンズさんと「ワークハンズ」というのをやっています。これは、農業やガーデニングに使うものを、ハンズさんの品揃えの中から、うちのバイヤーが選んだり、ハンズさんと一緒に仕入れたり、場合によってはオリジナルを一緒に作ったりして、売り場作りするプロジェクトです。

川島:インターネット時代のビジネスの重要な切り口のひとつが「キュレーション」。そのキュレーションをビジネスにした元祖がセレクトショップのビームス。だったらウェブ時代は、ビームスの強みを生かしたビジネスが、いろいろと展開できそうですね。

設楽:大量のビッグデータを持っている企業、それこそアマゾンやグーグルや楽天などが強みを発揮していくのは間違いない。でも、ビッグデータがどかんとあっても、新しいものに反応する人たち、センスがいい人たちに特化した情報の取り出し方というのは、まだ出現していないと思っています。うちがやろうとしているキュレーションビジネスは、そこに大きな可能性があると考えているのです。