三菱地所の偉い人たちとスナック巡りをしました

都築:もちろん作りませんでした。新丸ビルは三菱地所の物件で、「来夢来人」は、恐らく三菱地所が作った最初で最後のスナックだと思います。企画書は作らなかったけど、かわりにスナック留学をしました。三菱地所の偉い人たちは、スナックなんて作ったことないから、みんなでスナック巡りをしたんです。錦糸町とかいろいろ行って、ソファはこういう別珍が貼ってあって、ライティングはこんな感じでとか。企画書で説明するより、圧倒的にリアリティがあるでしょ。

川島:三菱地所相手に企画書なしで仕事を通しちゃったのも都築さんが最初で最後かも。私も「来夢来人」大好きです。4人くらい座れる小さなカウンターがあって、深紅のビロードが貼ってあるボックス席があって、熱帯魚が泳いでいる水槽があって。

 ビジネススーツにネクタイのバーテンさんが水割りを作ってくれる。高層ビルの一画に、まさに町中のスナックが出現した感じ。しかも女性限定だから、すごく安心できる。しかも不思議なことに、丸ビルの中の周囲のテナントのお店とも馴染んでいるんですよね。

都築:「来夢来人」はオープン以来ずっと客が絶えないらしいんです。あえて女性限定にしたのは僕のアイデアで、お客さんは近隣の丸の内のキャリアウーマンの方々が中心。ただ、僕は知らなかったのだけど、彼女たちの多くがどこに勤めているかというと、外資系の投資会社やコンサルティング会社らしいんですね。

川島:そうなんですか!

都築:そう。日本のキャリアウーマン界の頂点に君臨している女性たちが中心顧客、らしいんですね。そんな凄腕の女性たちが連れ立ってこのスナックに来て、いきなりはじけてカラオケで歌い上げたりしているわけ。

 「来夢来人」は朝の4時までやっているんですが、朝帰りのお客さんもけっこういる。一晩中踊ったり歌いまくったりして、でも翌日の朝8時には、きちんとお化粧して出勤して、男性の部下を使ってばりばり仕事している、たぶん。

川島:彼女たちにとっては「来夢来人」が、仕事のあとの「面白い場所」なんですね。今度、私も付き合いたい。けど、朝型だから夜9時すぎると眠くなっちゃうんだよなあ。

都築:夕方から呑みにくればいいんですよ(笑)

*5月23日公開の「今の時代、センスと行動力なしに勝負できない」に続く