

田中:ただ、これからどう進化させていくかは、まだ検討段階です。何らかのビジネスとして、世の中に提供していくかもしれない。ラボという形式をとっているので、ここから新しいメガネが世に出ていくかもしれない。さまざまな可能性を秘めているのです。という意味で「Think Lab」は、我々の立てた仮説をまずはカタチにしてみたというのが、本当のところです。
川島:それって大胆です。まず仮説をリアルな場にしてしまってから、何をやろうかと考え、検証していくということですね。
田中:仮説と言っても、中途半端なものは意味がないと思っています。振り切らないといけないのです(笑)。
川島:振り切る? 確かに見学させていただくと、知恵も手間ひまもお金もかけていて、こんな規模で実現しちゃう企業は、なかなかないと思います。振り切っているということですね。
田中:昔から私にはそういうところがあって、振り切らないと気が済まないのです。
川島:でもそれって、成功するかどうか、わからないじゃないですか。振り切って失敗したこと、ないんですか?
田中:いっぱいあります。ただ、振り切った失敗は、後々、いろいろなかたちで生きてくるのです。あらかじめ失敗を想定してしまうと、人は振り切れないものですから。たとえば野球でバッターボックスに向かう時、絶対にホームランを打つ意気込みで臨むか、そこそこ当たればいいという意気込みでのぞむかで、結果はまったく違ってくる。振り切った失敗からは、こうしたらいいとか、ここが足りなかったという気づきがあって、次に進むことができるのです。
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