コミットしたら必ず実現し、続けていかなければならない

川島:最後に「かっこいい」と「ダサい」について聞いてみたいと思います。

山井:僕は、「かっこいい」とか「ダサい」という言葉をあまり使わないのです。それより「美しい」と「美しくない」の方が多いですね。

川島:それは何が分けるのでしょうか。

山井:「美しい」とは、見た目はもちろん、精神性にまで及ぶ美しいことで、逆に「美しくない」には、誰かがやったものをそっくり真似ることも入っていて、だからスノーピークでは、オリジナルだけを作っていこうと考えているのです。それと、コミットしているのに守らないのも「美しくない」こと。一度、コミットしたら、必ず実現し、続けていかなければならないと考えているのです。

川島:「永久保証の価値」はそのひとつですね。

山井:そうです。それと「ユーザーとしてモノを考えます」と掲げているのに、アフターサービスがめちゃめちゃ遅かったりしたら、それも「美しくない」ことです。

川島:当たり前のように聞こえますが、それを守り、続けていくのは、簡単なことじゃないですよね。一方でスノーピークは、新しいことへの挑戦も続けているから、やりがいはあるけれど、楽はできない仕事ですね。
最後の質問です。山井さんにとってデザインとは何を意味するのでしょうか。

山井:スノーピークってデザインしかやっていない会社なんです。

川島:えっ、デザインしかやっていない?

山井:外から見ると、アウトドアのメーカーに見えるかもしれませんが、自治体と一緒に進めているプロジェクトや、「グランピング」も含め、新しいマーケットを作るのも、新しい顧客を作るのもデザインなのです。

川島:デザインの果たす役割は、幅広く奥行きも深いということですね。そして、山井さんがやりたいことは、まだまだ広がっています。2014年には上場も果たし、企業としての成長も義務づけられたことだし。

山井:最近、社外取締役から「もう少し抑えて」という厳しい意見をもらうこともありますが(笑)、やりたいことは、まだまだたくさんあります! ただ、いずれは引退して、僕自身が自然に触れた生活に浸って過ごしたいと思っているのです。

川島:本当ですかぁ。でもそれまでは、ニッポンのためにがんばってくださいね。