甘さが抜けない
植物工場は年中生産できるのが強みです。
野村:年中作れるのかもしれませんが、我々は料理の素材で季節感を出すのが仕事で、真逆の時期にヨモギを出すわけにはいきません。露地もののヨモギが出ている時期に、あえて水耕栽培のヨモギをチョイスしたりしています。
品質でほかに特徴はありますか。
野村:今回、サラダをプロデュースして思ったのは、工場で生産しているので、水洗いしたり、ホコリを払ったりする作業が最低限ですむんです。すごく大きなメリットです。包丁を入れて水に漬けてしまうと、味も栄養も抜けてしまいます。野菜本来の甘さが抜けないというのは強みです。だから、ドレッシングがサラダにすごく乗るんです。
専用のドレッシングを開発しましたが、コンビニのサラダにかけてもおいしくありません。カットしたキャベツがいい例で、日持ちさせるために水に漬けておくと、断面から水が浸透する。このドレッシングをかけても、野菜自体の味が乗ってこないで、ドレッシングが薄まったような味しかしません。
ドレッシング作りでどんな工夫をしましたか。
野村:工場で農薬を使わずに育てた野菜です。当然、添加物を加えたりしたくない。料理人なので、ふだんおいしいものを作ることに注力していますが、今回は体にいいということにかなり気を遣いました。油はふつうのサラダ油ではなく、さらさらの太白ごま油です。ゴマの香りは一切しません。






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