サービスを始めてから4カ月たった時点で、登録数は約1800。そのうち資材を売る側は約200で、資材販売店だけでなく、メーカーも含まれている。買う側の1600は農業法人や農家など。農協は資材を調達し、農家に売る役割を反映し、売り買い両方の立場で登録している。

 ここまでがソフトバンク・テクノロジーが新たに始めたサービスであるアグミルの概要だ。その誕生の経緯を理解するために、全農の事業の見直しを材料に、時間をさかのぼる形で小泉改革を点検してみよう。

全農と小泉進次郎氏の約束

 全農は10月末、コメ卸大手の木徳神糧と提携すると発表した。大手外食チェーンやコンビニなどがコメの需要を支えている中で、中・外食企業への販売を強化するのが全農のコメビジネスの最大の課題。そのため、中・外食企業と接点のある木徳と組むことにした。最大手の神明との提携も模索している。

 木徳との提携は、全農が3月末に公表した中期計画に沿った措置だ。計画で全農は、消費者にコメを売る立場にある中・外食企業などへの直接販売を、足元の5割から9割に高めると表明した。「直接」とは言っても、卸を排除することは意味しておらず、全農と卸、中・外食企業の3者が包括的に契約する取引の実現を目指す。その最初の相手が木徳だった。

割高な農業資材の改革をテーマにした小泉進次郎氏

 ここまでなら、たんなる民間同士の提携に見えるが、全農が3月末に中期計画を発表した背景には、小泉氏との約束があった。全農改革を最大のテーマに掲げていた小泉氏は昨年11月、全農が自ら改革案をまとめ、政府・与党がその中身をフォローアップすることで全農と合意した。全農が今年3月末に出した中期計画は、両者の合意を踏まえた内容だった。

 ではなぜ小泉氏は全農改革をテーマにしたのか。発端は、小泉氏が農林部会長に就いてすぐに出した「農政新時代」というペーパーにある。補助金の見直しから輸出の強化まで総花的に改革メニューをちりばめたこのペーパーの中で、小泉氏が当初から「ここが一番大事だ」と強調していたのが、国際的に割高との批判が多い農産物資材にメスを入れることだった。