農水省はドラスチックな減反廃止には慎重(東京・霞ケ関)
農水省はドラスチックな減反廃止には慎重(東京・霞ケ関)

外食のメニューやコンビニ弁当などに使う中・外食のコメが飼料用に回って不足し、関連企業の収益性を圧迫しています。

荒幡:「家庭向けのコメと業務用米のミスマッチの問題であって、コメは不足していない」というのが農水省の公式見解。確かに数字を見るとわずかに足りないくらいだが、現場の感覚は全然違う。業務用のB銘柄が目の前で飼料用に回っていく。その結果、B銘柄とA銘柄の値段の差が縮まり、下からあおられるような形で米価の上昇が起きている。

「財政節約のため」ではなく

農水省は飼料米の単収が増えていけば、いずれ標準収量を引き上げ、補助金の支給条件を厳しくする方針のようです。

荒幡:本来やるべきことだ。ただし、財務省のように「財政節約のために基準単収を上げる」という言い方は、生産者への説明として適切ではない。そうではなく、「国際競争力を維持するため」と言うべきだろう。

 米国のコメは10アール当たりの単収が毎年8キログラムのペースで増加している。これに対し、日本は停滞。10年間、まったく増えていない。しかも、飼料米で代替しようとしているのはコメではなく、トウモロコシ。恐ろしいことに、米国のトウモロコシは毎年17キロ単収が増えている。

 世界を見れば、飼料米の基準単収を上げるのは当たり前のことだ。生産者にそういう意識を植え付けないと、競争力を維持できない。もし単収が伸びないなら、補助金を積み増していかないと、畜産農家にトウモロコシと同じコストの飼料を提供することができなくなる。

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