問題はスーパーが共通で抱えるこうした課題に、どこまできめ細かく対応できるかにある。そこで、ヤオコーが武器にしようとしているのが、個店主義だ。

自分で仮説を

 ヤオコーは「パートを大切にする会社」として知られている。パート社員が店内の食材を使い、料理のメニューを提案するクッキングサポートコーナーはその1つ。午前中に開く「検食会」にもパートが参加し、「これおいしいから、売り込もう」「これこんな料理に合う」といった提案をしてもらうようにしている。大事なのは、検食会のやり方を細かく規定せず、「店単位で自由にやっている」という点にある。

 その延長で、今年8月にパートの活用をもっと本格化させる基本方針が決まった。「これからは生鮮品の発注をパートに任せる」。店の売り上げを大きく左右するような重大な決断だ。まだいつどんな形で実施するかは検討中だが、方針そのものは明確に打ち出されたという。

 これまでも、レトルト食品などのグローサリーはパートが発注していた。ただ、生鮮品の発注はグローサリーと比べ、難しい。グローサリーは売れた分を発注するのが基本で、日持ちがする。これに対し、生鮮は売れ残ると廃棄というリスクを伴う。気温など天候の影響も大きく、欠品によるチャンスロスの恐れもある。リスクを承知で、なぜパートに発注を任せるのか。

 「パートナーさん(パートのこと)にも、商売に直接携わってもらいたい。自分で仮説を立て、それが当たって売れたときに喜びを感じる。それが一番楽しい。言われたことを、言われたままにやる。それでは、つまらない」