他産業と交流しないと気づかない点ですね。

沢浦:そうです。農業の中だけにいたら、わからないですよ。一方で、「農業の賃金が安いのは仕方がない」とみんな思ってました。でも、自分は「どうすれば改善できるのか」を必死に考えてきました。社会保険労務士の人に聞いたところ、いまでは「この地域の中小企業の中ではいいほうだ」って言ってもらえるようになりました。

運転資金に対する考え方が違う

経営のあり方について中小企業家同友会で何を学びましたか。

沢浦:カルチャーショックでしたね。例えば、運転資金に対する考え方が違う。当時は運転資金を借りることは、あまりいいこととは思われていませんでした。肥料を買うのに運転資金を借りるのは、いい経営ではないと言われるわけです。経営の規模が大きくなると、増加運転資金というものが必要になります。そういう資金も農協は貸し出していませんでした。

 うちはコンニャクの原料在庫が多いため、資金繰りが苦しくて仕方ありませんでした。「なんでこんなに利益が出てるのに、お金がないんだろう」って思ってました。売り上げが増えれば増えるほどお金に困って、「どうしよう、どうしよう」って悩む状態が続いてました。

 そんなとき、知り合いの経営者に相談したら、「沢浦さん、こんなに在庫があるなら、運転資金がないと間に合わないでしょう」って言われました。「え? 借りていいんですか」と聞くと、「銀行に相談すれば貸してくれるよ」。地元の銀行に聞いてみたら、「大変ですね。3000万円貸せます」と言われました。

 生産在庫が増えたときは、売れるまでの間、一時的に銀行からお金を借りるわけです。「こんな単純なことなのか」と思いました。「嘘だろ」っていうのが、正直な感想でした。でも、そういうことが、農業の世界では悪いこととされていたんです。

中小企業家同友会の勉強会に参加する沢浦彰治氏。
中小企業家同友会の勉強会に参加する沢浦彰治氏。

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