スーパーに行くと、ファームシップが運営をサポートしている「イノベタス」というブランドのリーフレタスをよく見かけます。

北島:コンサルティングの仕事が少しずつ形になっていって、二年目に手がけた植物工場が、イノベタス(静岡県富士市)です。親会社は中古紙の販売会社です。もともと再生パルプの製造工場があった場所ですが、新規事業として不動産貸しのようなことをやるのではなく、しっかりした事業をやろうと思い、植物工場に興味を持ったそうです。

 我々がゼロから設計した工場です。2015年2月に竣工し、稼働に向けた準備を始めました。本工場が立ち上がる前に練習用の工場を敷地内に造ってもらい、人を派遣して栽培技術を教育しました。本工場が稼働したあとも人を送り、ハードはどうやってメンテナンスし、一日の仕事の流れはどうなっていて、リーダーは何をやるべきなのかを工場に張り付いて指導しました。

 イノベタスの立ち上げと並行して進めたのが、資材販売と流通の仕事です。LED照明に適しているかどうかなどを判断しながら、種や肥料、培地をイノベタスに供給します。野菜の販売もします。野菜の世界には相場があり、競合によって受注も変わります。そういうことを判断しながら、エージェントのような形でイノベタスの代わりに我々の顧客に野菜を販売しています。

静岡県富士市にあるイノベタスの植物工場。ファームシップがサポートしている(写真提供:ファームシップ)

双方が利益を得る仕組みを

資材を高く売ってイノベタスの経営が成り立たなくなると、ファームシップの運営もうまくいかない仕組みですね。

北島:その通りです。双方が利益を得る仕組みにしないと、ビジネスは成り立ちません。でも、植物工場の世界は未熟で、資材を高く買わされていることに気づかないことがあります。そこで、過去のネットワークも含め、種の販売会社や肥料メーカーに声をかけ、かなり安く調達できるように努力しました。

 「いろんなところに植物工場を造っていくのが我々のビジネスモデルです。どんどん仕事を増やしていくので、いい値段で提供してください」。そういうふうに説明しながら交渉しました。