まずは言葉の意味を確認することから始めたい。

 約半世紀にわたって続いてきたコメの生産調整(減反)が2018年に廃止になる。この連載ではそう書いてきたし、多くのメディアもそう報じてきた。

 農林水産省は、主食のコメの生産上限を毎年秋に都道府県に指示することで、減反を実施してきた。農水省はこれを、今年を最後にやめる。それを、「減反廃止」と呼ぶことは必ずしも間違ってはいない。だが、減反に関連する制度がすべてなくなるわけではない。

 農水省は生産上限を自治体や農協、農家に守らせるため、様々な手段をとってきた。例えば、減反に協力しない農家や目標を達成できない自治体への補助をペナルティーとして制限してきた。このペナルティーは評判が悪かったため、2010年にやめた。減反に協力した農家の所得を補填する補助金も、今年を最後に廃止する。

 一方で、田んぼで主食のコメ以外の作物を作ったときに出す補助金は今後も残す。その代表例が、コメを家畜のエサに回したときに出す補助金だ。しかも農水省は、自らは生産調整から退く一方、県や自治体が農協などと協議し、引き続き主食のコメの生産を抑制することを認めている。この点を重視すれば、減反は「大幅な見直し」にはなっても、廃止になるわけではないと受け止めることもできるだろう。

目前の「平成30年問題」と向き合う

 では、現場の農業関係者は、減反廃止、あるいは大幅見直しのことを何と呼んでいるのか。答えは「平成30年問題」。関係者の多くも、どう表現したらいいのかわかっていないのだ。

 今回のテーマは、この「平成30年問題」に現場がどう対応しようとしているのかを探ることにある。取り上げるのは、北つくば農業協同組合(JA北つくば、茨城県筑西市)だ。

 住友化学が独自のコメの品種の種を販売し、農家が生産したコメを売買するビジネスに乗り出していることを、以前、この連載で紹介した(2016年12月9日「住友化学、コメの新たな『値決め』に挑む」)。JA北つくばは、その取引相手の1つだ。

「平成30年問題」に攻めの姿勢で対応するJA北つくば(茨城県筑西市)