自動収穫機は実際どんなふうに作業するのか。それを見学するための実演会が、6月15日に千葉県柏市の農場で開かれた。当日は朝方に激しく雨が降ったため、収穫そのものはNG。水分を含んだモミを回収されずに外に排出してしまったり、機械の中で詰まってしまったりするリスクがあるからだ。ただし、機械が自動で走行する様子を見ることはできた。

 実演を担当したのはクボタの女性社員。テントの中にいるスタッフから無線で指示を受け、自動走行を開始した。取材に来た記者たちはぬかるんだ農道に出て、シャッターチャンスを狙う。遠くで旋回し、こちらに戻って来たコンバインのキャビンをよく見ると、女性社員が「降参」みたいなポーズで両手を挙げている。自動走行をアピールするためだ。

自動運転をアピールするため、両手を挙げている(千葉県柏市)

1台1570万円の高額商品は普及するか

 次は記者を対象にした試乗会。キャビンに1人で乗り込み、緑のランプの運転アシスト開始スイッチを押し、左の速度レバーを前に倒すと自動走行を開始した。あとはただ、コンバインが勝手に進み、旋回し、再び直進するのをキャビンの内側で眺めているだけ。クボタが強調するように、「簡単で楽」だ。自動車の運転免許を持っていない筆者にとって、動いている機械の運転席に座るのは稀有な体験だ。ちなみに、収穫機はトラックなどに乗せ、田んぼや畑に持ってきてから動かす機械なので、特段の免許は必要ない。

筆者も自動運転コンバインに乗ってみた。確かに「簡単で楽」(千葉県柏市)

 ここまではアグリロボコンバインの機能の説明。本題はこうした機械を農家がどれだけ必要とし、普及するかだ。発売は今年12月で、1年間の販売目標は20台。クボタもいきなり爆発的に売れるとは考えていない。

 型式は3タイプあり、希望小売価格は1570万円から1680万円。一般の読者はかなり高額と感じるかもしれないが、同じ大きさのコンバインと比べて値段のアップは1~2割程度。ポイントは、そもそも高いコンバインを、さらにお金を払ってまで買うメリットを感じるかどうかにある。