人口減少で人の姿が消えていくこの国で、どうやって仕事を続けていくかが経済に重い課題としてのしかかっている。その最先端にいるのが、高齢農家の地滑り的なリタイアが始まった農業だ。カギを握るのは、新しい技術の導入。何回かに分けて、そのことについて考えてみたい。最初に取り上げるのは、クボタが開発した「アグリロボコンバイン」だ。

クボタの自動運転コンバインのキャビンの中の様子(千葉県柏市)

 開発の狙いはコメや麦の収穫を、「操作が簡単で楽で、しかも作業を最適にする」ことにある。そのためにGPSの機能を収穫機械に活用した。

 田んぼや畑の区画に沿い、人がコンバインを操作して6メートルの幅で収穫すれば準備オーケー。あとは作業員がハンドルなどを扱う必要がなく、GPSに導かれて自動運転で収穫作業が進む。最初の6メートルだけ人が運転するのは、圃場の形を機械に記憶させるためと、機械がターンする場所を確保するためだ。

 クボタが強調する「売り」の1つが、収穫ルートの最適化だ。例えば、人がコンバインを操縦すると、ふつうはすでに収穫したルートに沿って、その横を順々に収穫していく。これに対し、アグリロボコンバインは最適なルートを分析することで、機械が旋回する回数を減らすことができる。0・5ヘクタールの圃場の場合、作業時間を10%短縮することが可能という。

人が運転するのと比べ、旋回の回数を減らすことができる(千葉県柏市)

 センサーを使い、タンクが満タンになるのを予測して「もう1周するのは無理」などと判断し、運搬用のトラックのある位置まで自動で移動してくれるのも、強みの1つ。コメや麦の排出が終わると、刈り取りを中断したポイントまで自走し、収穫作業を再開する。これを完璧にこなすことは、熟練の作業員でも簡単ではないという。