以上は、コーナーを設けた店側の思惑だが、消費者の側の受け止め方はどうなのか。筆者の第一印象は、「消費者は自然の中で作られたものを買いたがるのではないか」というものだった。だが、マルエツによると、最近、以前なら思いも寄らないクレームが増えているのだという。

裸は嫌、砂も嫌、無駄も嫌

 「昔なら当たり前だった、裸で売られていた野菜を嫌だと感じる消費者が増えています。人の手が触れていると感じるんでしょう」

 確かに、青果物売り場に行くと、むき出しのトマトやパプリカ、キュウリなどを手にとり、しばし眺めたあと、棚に戻す人が少なくない。それに眉をひそめる人が増えているのだろう。

 「レタスのように巻いている野菜は、多少泥が付いていたり、場合によっては虫が入っていたりします。それが農産物だと思うのですが、嫌だと感じる人が増えているようです。『砂が入っていた』と言ってくる人もいます」

 都内の店で、30~40代前半の層にそういう傾向が強いという。これを反映してか、露地のレタスを買った人がスプラウトを買う確率よりも、工場レタスを買った人がスプラウトを手にとる率のほうが高い。「レタスに多少の泥が付いているのは当然」と思う客層とは、別物なのだろう。

 意外なことに60~70代の女性も、購買層のもう1の山になっているという。理由は若い層とは別。「これは仮定ですが」と前置きしつつ、青果部の担当者は次のように説明した。

 「大きさがちょうどいいのかもしれません。ものを大切にする人たちなので、捨てることを極端に嫌がります。『大きくて安い』というのとは逆の意味で、経済的にいいと感じているのではないでしょうか」

フリルレタスも目立つ場所に陳列(東京都調布市のマルエツ国領店)
フリルレタスも目立つ場所に陳列(東京都調布市のマルエツ国領店)

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