米国やオーストラリアと違い、農地の狭い日本にとって、農業を強くするためのモデルとされているのがオランダだ。オランダはなぜ、米国に次ぐ世界2位の農産物輸出国になれたのか。それを理解するためのヒントになるセミナーが13日に都内で開かれた。

 セミナーを主催したのは農林中央金庫と農林中金総合研究所、農業・食品分野の研究で世界的に有名なオランダのワーゲニンゲン大学、同国に拠点を置く欧州の金融大手のラボバンクだ。農林中金とラボバンクが昨年提携したことをきっかけにセミナーが実現した

 「日本は農業の成長産業化をいかに進めるかが課題になっている。日本はオランダに学ぶべき大きなポイントがある」。農中総研の柳田茂専務は開会のあいさつでこう話した。日本にはないオランダの強みとは何か。柳田氏はそれを「オランダの農業の競争力の源泉は産学官の『ゴールデントライアングル』にある」という言葉で表現した。

「農業のイノベーションが変化している」

 技術革新の必要性を説いたのは、日大の宮部和幸教授だ。「農業のイノベーションが変化している。従来は生産技術の開発に集中していたが、いまはイノベーションの領域が拡大し、担い手も多様化した」。具体的には、革新の対象が生産技術から食品や医療、環境に広がり、それを公的研究機関や大学、食品メーカー、情報関連企業などが担うようになったと指摘。「産学官の連携への関心が高まっている」と話した。

「農業のイノベーションが変化した」と話す日大の宮部和幸教授

 またもや焦点は政府と学界、民間の連携だ。ではオランダは3者の連携をどうやって進めてきたのか。以下、セミナーに出席したワーゲニンゲン大学のヨス・フルステーヘン主任研究員と、ラボバンクのグローバルストラテジストのディルク・ヤン・ケネス氏の発言から考えてみよう。