栽培できる品目の多様性と並び、人工光型が大きく制約を受けているのが、規模拡大の可能性だ。もう先を読まなくても結論はわかりそうだが、大規模なのは太陽光型。人工光型は1000平方メートル未満が81%なのに対し、太陽光型は1ケタ違う10000平方メートル以上が88%を占める。比べる意味がないほどの差と言っていい。

直面する大きなハードル

 というわけで、とどめの項目。直近の決算で利益が出ているかどうかの質問に対し、太陽光型は48%が黒字で、14%が収支均衡、39%が赤字だった。では人工光型はどうか。植物工場の可能性を連載で強調してきた身として、現実を直視しないわけにはいかないだろう。答えは次の通り。

 「黒字は17%、収支均衡が25%、赤字が58%」

 足元の業績で見ると、人工光型は収益モデルを確立できているとは言い難い。もちろん、「栽培を始めた時期」の項で見たとおり、人工光型は新しい工場が多く、黒字化の途上にあると見ることもできる。ただし、一部の例外を除けば、電気代や人件費など、ランニングコストの高さが収益を圧迫する構造を改善できていない可能性は十分にある。積年の課題だ。

 これに関連し、人工光型の決算状況を規模別に見ると、500平方メートル未満は77%が赤字で、4000平方メートル以上は100%黒字だった。だが、500平方メートル未満はサンプル数が13あるのに対し、4000平方メートル以上はたった2しかなく、統計として有意かどうかは疑問符がつく。ただ他の規模のデータも照らし合わせて浮かびあがってくるのは、規模が小さいほど利益が出にくいという点だ。

 統計の紹介はここまで。ここで挙げたいくつかのデータを見ただけでも、人工光型植物工場がなお大きなハードルに直面していることがわかるが、難点についての説明をさらに続けなければならない。

 節税対策の投資や、開発目的の試験的な運営を除けば、工場の運営を続けるかどうかの判断基準は結局、収益状況がカギを握る。そして、面積が数100平方メートルしかない小さい工場で利益を出すのが至難のわざであることもわかってきた。

次ページ 中・外食業界を中心に広がるニーズ