安全でおいしい農産物をつくる生産者とそれを求める消費者にとってビッグニュースが昨年12月に飛び出した。食品宅配のオイシックスと大地を守る会が2017年秋をメドに経営統合することで基本合意したのだ。

 有機農産物の宅配で草分け的存在の大地を守る会と、Eコマース市場で急成長しているオイシックスはなぜ統合を決断したのか。消費者の安全志向に答える農業は今度どこへ向かうのか。両社のトップにインタビューした。1回目は大地を守る会の藤田和芳社長だ。

若い正義感と乗り越える力

オイシックスの高島宏平社長とはどのように知り合ったのですか。

 「高島さんが2000年にオイシックスを立ち上げたころからの知り合いです。『これからオーガニックを扱う仕事をしたいと思っているので、教えてください』と言って訪ねてきました。千葉県習志野市に私どもの物流センターができたときも社員と見学に来ましたし、30周年、40周年のイベントなどにも小まめに顔を出してくれました」

 「年に2、3回食事をし、業界の話をするという関係が続いていました。その延長で、経営統合の話が出てきました。高島さんは東日本大震災のときに矢も盾もたまらず被災地にボランティアに行くような若い正義感があります。私の子どもと同い年で、『かわいいやつだ』という感じで見ていました。そういう意味でも、統合は感慨深いです」

 「『かわいい』という言い方をしましたが、サラリーマン社長ではなく、創業者なので、困難なことが起きても乗り越える力があります。初期のころは資金繰りでものすごく苦しむなど、いつ倒産するかわからないという重圧を耐え抜いてきました。忙しいときは倉庫で寝泊まりしながら働くような経験をしてきたことは、すごいことだと思います」

「オーガニックの世界には多様性が必要」と話す大地を守る会の藤田和芳社長(千葉市の本社オフィス)