規格外だったり、虫に食われたりして出荷できなかった野菜は、堆肥作りにいかしている。スリランカから輸入したヤシ殻の渋皮のココピートと土壌改良資材のパーライト、泥炭を混ぜて土作りをしている。コーリャンをすき込んで緑肥にしているハウスもある。佐々木氏によると、「レタスを長年作った結果、連作障害で土がくたびれてしまった畑」という。

土作りをしているハウス(上海市奉賢区)
土作りをしているハウス(上海市奉賢区)
クリーニングプラントとしてコーリャンをすき込む(上海市奉賢区)
クリーニングプラントとしてコーリャンをすき込む(上海市奉賢区)

「認証を取るつもりはない」

 貿易会社で働いていたという経歴が示すように、もともと農業のプロではない。最初はインターネットで日本語のサイトを調べて独学し、その後、日本のベテランの有機農家に指導に来てもらい、土作りについて教わった。2017年秋には滋賀県の農業法人と共同で1000万円を投資し、水耕栽培の施設を作った。日本の技術を取り入れながら、経営を伸ばしているわけだ。

 では「安全・安心」をどうやって中国のバイヤーたちに訴えているのか。日本と同様、中国にも農薬や化学肥料を使わずに育てた有機農産物の認証制度がある。だが、佐々木氏は「認証を取るつもりはない」という。「中国の消費者が認証をあまり信じていない」からだ。現地の農業関係者によると、事実上、無審査でカネを出せば認証を取れるケースもある。

次ページ 必ず農場に来てもらう