「じつはネギだったら…」

なぜ「イオン農場」のブランドで作らないのですか。

福永:僕らだけで作ってもこいくれないを全国のイオンに供給することは不可能だし、機能性を訴えて規格を変えることは僕らだけではできない。内側から発信することにはいろんな壁があるんです。内側で言えば、「ニンジンはまっすぐできるはずだ」「下手だから曲がったんだろう」といった声が出る可能性があります。

 これに対し、いったんNKアグリを通してうちのグループに帰ってくるほうが、壁が低くなるんです。外部からのほうが「この商品はこういう特徴がある」ということを言いやすい。そういう意味で、うちのグループを変えていくことの助けになるでしょう。本当に今の規格でいいのか、バイヤーの教育も含めてやっていかないといけないと思ってます。

三原:いま全国で50人くらいの農家に作ってもらってます。2014年から少しずつ売り始め、2015年と2016年は350トンくらいになりました。2017年10月にスタートした今回の収穫は、800トンぐらいになると思ってます。急拡大する需要に生産が追いついていなかったので、イオンアグリが今期から作ってくれるようになって助かりました。ベンチャーであるうちをうまく使ってもらうことで、流通全体の最適化ができればいいと思ってます。

 この取り組みが、「形から脱却することで、新しい価値を手に入れる」ためのロールモデルになると思ってます。こういうことを農家に話すと、「じつはネギだったら、こっちの品種のほうがうまい」という反応が返ってきます。値段がつくのは形がそろっているものなので、形がそろいやすい品種を作っているんです。これが世に出ることで、触発される何かがあるはずだと思ってます。

福永:大きな話になりますが、この国の農業はどうあるべきなのかを、三原さんと長期的に語り合っていきたいと思ってます。

2人の考え方が一致した(茨城県牛久市のイオン農場)