こいくれないはどんなニンジンですか。

三原:まず、色がすごく濃い。おいしくて栄養価が高いですが、真っすぐ作ることが難しい。今までの流通の規格では評価されにくいからこそ、大きなビジネスチャンスがあると思いました。今まで守らなければならなかったものを大胆に捨てることで、消費者に価値を届けるということをやってみたいと考えました。生産するのは、連携している農家です。

 こいくれないはNKアグリが管理した栽培方法で作るニンジンの商標で、種はタキイ種苗の「京くれない」という品種です。まず、作り方と環境条件で成分がどう変わるかを試験し、要因を特定しました。

 農家には「今これだけ肥料をやってください」と指示し、積算温度を調べて収穫するべき時期を伝えます。出荷するときカラーチャートに照らして色を確認し、色の薄いものははじいてもらいます。リコピンの量を測るためです。もちろん、出荷できないものはそれほど多くありません。

 こういう流通の全体、サプライチェーンの中で「こいくれない」ができるという考えに立って、ブランド化しました。

考えていることが1つに

イオンアグリはなぜこいくれないを作ることにしたのですか。

福永:三原さんと話していて、農業について2人が考えていることが1つになったことが大きい。露地栽培という予測が難しいものを予測していく。そのためのロジックを組み立てる。僕らも素人の状態から農業を始め、年数がたってスタッフの技術は上がってきましたが、安定してものを流すには、データを取って栽培にいかしていかなければならない。そういう農業になっていく必要があると思っています。

 話をしていて、そうした点が一緒だと思いました。企業だから営利を求めるのは当然ですが、営利だけが目的なら僕らが農業をやる必要はないかもしれない。それでも農業をやる以上、これからの日本の農業について考え方というものがちゃんとあることが大事なんです。

「規格の見直しが必要」と話すイオンアグリ創造の福永庸明社長(茨城県牛久市のイオン農場)