2回の検査を通し明らかになったのは、カルローズにとって有利とみられた酢飯だけでなく、白米で食べても必ずしも国産米がおいしとは限らないということだ。しかも、国内では比較的おいしいとされるA銘柄でさえ、はっきりとカルローズより上だと言えないケースがあることもわかった。

100円の違い「使ってみたい」

 この結果をどう受け止めるべきなのだろう。検査結果を公表した日本炊飯協会の1月26日の総会では、会員企業から「値段はどうなっているのか」という質問が出た。値ごろ感を重視する業界として当然の質問だろう。これに対し、福田耕作会長はつぎのように答えた。

 「カルローズはマークアップ(政府が受け取る輸入差益)を乗せると1キロで150円で、さらに異物などを取り除く調整費を乗せると170円になる。かたや、きらら397は270円。100円の違いがある」

 「ただし、輸入枠はわずか10万トンしかない。100円の差があっても簡単には手に入らず、基本は国産を使わざるをえない」

 集まった企業はこの結果に考え込むとともに、「使ってみたい」という声がもれた。後述するように業務用のコメは品薄状態が続き、コメ卸が売り先に値上げを求めているからだ。

 このやりとりには補足が必要だろう。取材で福田氏にあらためて検査結果への感想をたずねると、「食品企業は味がよく、安全な食品をできるだけ安く提供する義務がある。100円の差があるのに提供しないのは、消費者にとっていいことなのだろうか」。福田氏は「できる限り国産を提供するのが基本」という立場だが、それでも品質がほとんど変わらず、値段には大きな違いがあるという現実に複雑な表情をみせた。

 品質が同じで安いから、ただちに外国産を選ぶべきかというと、必ずしもそうではない。食料は国民生活にとって極めて重要で、しかもコメはなお日本の主食だ。値段の安さだけで外国産に飛びついて、国産米が衰退することに賛同する国民は多くないだろう。