誤解2:アフリカはブルーオーシャンだ

 アフリカは「最後のフロンティア」と呼ばれるが、その言葉から受ける、需要が手付かずのまま残されているという印象は、たいていの場合正しくない。ひとたびビジネスの検討を開始するとすぐに、すでに誰かが似たビジネスを行っていることに気づくだろう。

 たとえば、まだ電化が進んでいない地域へのオフグリッドでの電力供給。電力のニーズは高いものの、ソーラーランタンを売る企業はすでに外資、現地企業が無数に入り乱れている。10ドル~20ドルで販売され、どこでも手に入る。このような市場に少しばかり長持ちする丈夫な日本製品を2倍や3倍の価格でもってきても、競争には勝てない。

 「こういう商品はアフリカで売れますか」という質問をよく受ける。商品自体に問題がなくても、似たような商品はすでに出回っているのだから、価格を安くするか、販売力で相手を凌駕するか、ゲームチェンジャーになるしかない。

 たとえば、ケニアには「M-KOPA(エムコパ。スワヒリ語で「モバイルで借りる」の意味)」というサービスがある。家庭用ソーラーシステムをモバイルマネーによって割賦販売するもので、装置内に組み込まれたSIMカードを使って配電と支払いを管理できるスマートメーターだ。東アフリカの農村地帯で売られている。ローンを支払い終えると、テレビなど追加の電化製品が購入でき、その支払いもまたモバイルマネーで管理する。ランタンの売り切りから、ローンを用いて家庭の電力需要を総取りするモデルへと変えたゲームチェンジャーだ。

M-KOPAの基本セット。ローンを支払い終えると、バッテリーにつなぐことができる電化製品を次々に追加できる

 加えて700人の営業人員と1000のエージェントという販売力による面を取る営業を行っている。ところがさっそく、その売れ行きをみてドイツ企業やウガンダ企業が参入してきた。「どのような方法でアフリカで売るべきですか」と、売り方を聞くのが正しい質問なのだ。

 中国はインフラや資源のみならず、アフリカにおける軽工業への投資に力を入れており、アフリカ大陸に15の工業団地を持つ。ただし、アフリカでの競争相手は中国のみではない。外資企業のみならず現地企業が先行者利益を得ている商材も多い。

 最近は、これまでアフリカとは関係が浅いと見られてきた国々の企業のアフリカ進出も目立ってきている。たとえばベトナムの通信会社ベトテルは、モザンビークの携帯通信事業でトップのシェア。アフリカで朝食として食べられているインスタントヌードルにおいて、6割を超えるシェアを持つのはインドネシアの企業インドミーだ。アメリカは中国への対抗意識からアフリカに注力し始め、トルコは企業団を頻繁に送り込んでいる。

ナイジェリアで販売されているインドミー