(前回から読む→「小諸そば、リニューアルの謎を追え!」)

女子受けバッチリの「みよた(こちら)」の成功が「小諸そば」全体を見直すきっかけになって、そこから従来の小諸そばのファンである、ビジネスマン層を意識した「みまき」を出店。それらの知見を基に、ブランド全体を高級シフトすべく、今回の「リブランディング 小諸そば」が誕生したのでは!?
と、思ったところにいいタイミングでリニューアルの責任者、横尾龍彦本部長が登場!
こんな仮説を滔々と本部長ご本人の前で語ってみせたイトウ。すると……
うん、それは違います。
横:うん、それは違いますね、逆です。
イ:……(汗)。ええと、逆ですか!?
横:我々は「みよた」や「みまき」以前に、「小諸そばを創業時に立ち返って見つめ直そう」と、ずっと前から考えていたんです。
イ:創業時ですか? 御社はむしろ創業時の考えを貫いて今日まで来た組織ではないかと。
横:いいえ、ここに来るまでには紆余曲折ありまして。たとえば店舗ですけど、創業時の小諸そばは入口には暖簾を掛けて、角出し看板のある高級店のそば屋みたいにしていた。
イ:……角出し看板?
横:普通のおそば屋さんが店に掲げるような、四角い木の看板です。それが20年前に、「ファストフードの仲間入りをしよう、セルフで効率重視の店にしよう」ということになって。そのとき半天でなく制服に、暖簾をやめて後ろからファサードを蛍光灯で光らせる、今の看板にしまして。実はこの鎌倉橋店の看板もそうする予定だったんですが、店の印象が……安っぽく見えたんです。それはどうしても嫌だった。
イ:砂壁みたいな素材の落ち着いた看板になっていますね。
横:オープンを1カ月遅らせて、看板に照明を当てるタイプのこのスタイルになりました。
インバウンドは狙いません
イ:看板には横文字も入れてますね。あ、オリンピックもあるし、新生小諸そばはインバウンド需要も見込んでいる!?
横:うん、それは全く考えていないですね。
イ:え、全くですか(滝汗)。
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