価格競争に巻き込まれたら破滅に向かう
今後5期連続、6期連続を目指す上で、何が重要になるか。
井上CEO:これまでは価格競争がメインだった。今後はこれにプラスして、価値の創造が必要だ。他社では、香港線片道500円などのような投げ売りが行われている。これはもうけを出すという、ビジネスの基本を忘れている。ピーチが価格競争に巻き込まれてしまっては、破滅に向かうだけだ。
そこから脱却する上で、ピーチならではの価値を創造すれば、お客様に選んでいただける。
これにはイメージがあり、かつてハーレー・ダビットソンがホンダの攻勢に押されて、潰れそうになった時があった。なぜ復活したかといえば、価値の創造に切り替えたからだ。ハーレーが大好きなお客さんに特化した。ファンを増やすことで、ハーレーはV字回復した。

プロ野球の対戦カードでお客様の動きを予測
ピーチはセールなどで安売りをするが、搭乗間際などは大手並みの高い運賃で販売していることがある。プライシングは進化しているのか。
井上CEO:担当者の頭の中では、もちろん極力高く値付けしようという意識があるが、それだけではない。お客様がどう動くかを頭の中で描いている。仙台-新千歳線であれば、プロ野球やコンサートの日程を見ている。楽天と日本ハムの試合があれば、お客様はこう動くだろう、といった予測を立てている。
AI(人工知能)を導入して、予測の精度を高くしていくのか。
井上CEO:経営課題として、視野に入っている。
AI活用はプライシング以外にも考えているのか。
井上CEO:コンタクトセンターだ。1年間実験してみたところ、予約を受けたり、運航状況の問い合わせ、クレーム対応という、3つの分野に使える。新しい技術は、試してみてこれでも使えるという気づきがあるので、やる価値はある。
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