国内LCC(格安航空会社)が海外の就航地を増やしている。9月には、バニラエアが成田国際空港から台北の桃園国際空港経由でベトナムのホーチミンに就航。11月に入ると、ピーチ・アビエーションが羽田空港と関西国際空港から上海の浦東国際空港へ就航した。
ホーチミンも上海も、国内LCC(格安航空会社)では初の就航。バニラのホーチミン線は、台北からの以遠権を行使したもの。成田~台北間の訪日観光客と、台北~ホーチミン間の需要の取り込みに加え、日本から台北とホーチミンの2都市周遊も提案していく。
ピーチの上海線は、関西発が夜10時25分に日本を出発して、上海には翌日深夜0時20分に到着する。上海発は朝6時5分に出発し、関西には朝9時15分に着く。一方の羽田発は深夜便で、2時10分に日本を出発し、早朝5時に上海へ到着する。上海発は深夜1時25分で、羽田着は早朝4時55分となっている。

羽田発着便の場合、上海着が早朝で帰国便が深夜なので、ゼロ泊2日の弾丸旅行も可能だ。ピーチにとって羽田からの国際線は3路線目で、2015年8月8日就航の台北(桃園)線、2016年2月6日就航のソウル(仁川)線に続くもの。いずれも深夜便で、台北線は国内LCC初の羽田就航だった。
上海には、2017年1月からはジェットスター・ジャパンも、成田から就航する予定だ。政府は東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に、年間訪日客数4000万人の達成を目指す。そのためには、「爆買い」が沈静化したとはいえ、旺盛な中国本土からの訪日需要を取り込む必要がある。
いよいよ本格化していく、国内LCCの中国本土就航。上海という中国最大のマーケットへ最初に切り込んだピーチは、訪日客をどう取り込んでいくのか。羽田からの上海線初便に搭乗し、上海で、ピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)に話を聞いた。
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