航空会社のサービスというと、国際線に関する話題が多い。特に欧米のような長距離路線は長時間のフライトとなるため、機内で快適に過ごせるかを気にする人も多いだろう。航空会社も、長距離路線のサービスに力を入れている。

 一方、国内線のフライト時間を見ると、羽田からの直行便では、那覇行きの2時間55分、石垣行きの3時間35分が長いものの、札幌や福岡は1時間半から2時間、大阪であれば約1時間と、あっという間に着いてしまう。

 ビジネスパーソンの場合、移動時間くらいはくつろぎたいという人もいれば、移動時間こそメールチェックや仕事の準備に充てたいと、短い時間ながらも過ごし方は人によって大きく変わる。

 全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)では、ビジネスパーソンの声に応え、国内線にも上級クラスを用意している。ANAがプレミアムクラス、JALがファーストクラスで、このほかにJALはファーストと普通席の間に「クラスJ」というサービスを設定している。

 普通運賃で比較した場合の差額は、ANAのプレミアムクラスが9000円、JALのファーストクラスが8000円、クラスJは1000円。プレミアムとファーストは機内食が出てラウンジを利用できるが、クラスJは普通席より広いシートの提供のみとなる。

まるで国際線ビジネスクラスのようなANAのプレミアムクラス(撮影:吉川 忠行、ほかも同じ)
幹線に導入されているJALのファーストクラスも高級感あふれる

 空港のラウンジ使用は、ANAとJALで扱いが異なる。航空券に付随するサービスとして見た場合、JALのファーストは最上級ラウンジ「ダイヤモンド・プレミア」が使えるが、ANAは通常の「ANAラウンジ」となり、最上級の「スイートラウンジ」は使えない。

 一方、運航路線を比べると、ANAはローカル線を含む多くの路線にプレミアムクラスを設定しているが、JALのファーストクラスは羽田発着の大阪(伊丹)、札幌(新千歳)、福岡、那覇の幹線4路線のみ。その他はクラスJが最上位となる。

 また機内食も違いがある。JALのファーストは食器による提供となるが、ANAは2段重ねの箱。アルコールも、JALはシャンパンだがANAはスパークリングワインと、細かく見ていくと提供路線が少ないJALのほうが、より高級志向に見える。

 では多くの人がもっとも気にするであろう、シートそのものの仕上がりはどうか。

 ANAが国内線に11月から就航させる、エアバスA321ceo(A321従来型)の初号機が10月31日深夜、羽田へ到着した。この機体の発注数はわずか4機。2016年度内に全機が揃い、プレミアムクラスは新シートを採用する。

 国内線の上級クラスを中心としたサービス競争が今後どんな形で繰り広げられるのか。その兆しが、この機体から見えてきた。