JAL新コンセプト第1号の新千歳

 対するJALはどうか。6月29日、新千歳空港の国内線サクララウンジをリニューアルオープンし、最上位のダイヤモンド・プレミアラウンジを新設した。

 新千歳のラウンジは、国内線ターミナルビルの改修工事により、昨年11月から閉鎖。リニューアルに伴い、広さは二つのラウンジを合わせて従来の2倍の広さとなった。これまでは窓がなかったが、ほぼすべてのエリアに窓を配し、滑走路を一望できる開放的な室内に仕上がっている。

木が目に優しい温かい雰囲気のダイヤモンド・プレミアラウンジ
窓際に座ると、滑走路を一望できる

 JALにとって、新千歳のダイヤモンド・プレミアは羽田に次ぐ2カ所目。マイレージサービス「JALマイレージバンク(JMB)」の最上位であるダイヤモンド会員と、上位会員制度「JALグローバルクラブ(JGC)」のプレミア会員、国内線ファーストクラスの乗客が対象だ。

 ラウンジに直結する専用チェックインカウンターを設け、保安検査場もリニューアルした。インテリアは「日本のたたずまい」をデザインコンセプトに、羽田の国際線ラウンジも手掛けたインテリアデザイナーの小坂竜氏がデザイン。日本の素材を活かしながらも、現代的な空間に仕上げた。

 室内はメインエリアとダイニングエリアの2エリアで構成し、1席ごとのプライバシーも確保した。窓側席にはカウンター席や、2人利用を想定したペアシートなども用意している。

ソファー席には、手荷物収納スペースを設けた。便利だ

 ANAのスイートラウンジと同様、一部の席を除き電源コンセントを設けた。ノートパソコンなどで仕事をする人も想定した窓側テーブル席は2つ、ゆったり過ごすソファは1つと、席ごとの特性に合わせた。

 また、機内に持ち込めるサイズのキャリーバッグを収納できるスペースを新たに用意しており、手荷物があっても従来よりも過ごしやすい空間作りを目指している。

 飲食サービスも充実させた。国際線ラウンジで好評のJALオリジナルカレーをベースにした「JAL特製焼きカレーパン」が初登場し、スープ、味噌汁を新たに提供。ビールサーバーは、サッポロのクラシック、アサヒのドライプレミアム豊穣、サントリーのザ・プレミアム・モルツ、キリンの一番搾りプレミアムの4種類が並ぶ。

軽食を用意するダイニングエリア。こちらも開放感がある
「JAL特製焼きカレーパン」などが、ラウンジで食べられる
マッサージチェアもそなえている

 新千歳は、今後の国内線ラウンジで採用していく新デザインの第一号。ダイヤモンド・プレミア未設置の伊丹は10月13日に、福岡は2017年に、このデザインに基づいたものがオープンする計画だ。また、既設の羽田もブランド統一を進めていく。

 ANAとJAL両社にとって、ダイヤモンド会員は多頻度利用者の中でも、特に上顧客だ。ダイヤモンドのステータスを維持するため、利用する航空会社をどちらかに寄せている人もいるほどで、サービスに対する期待値も高い。

 しかし、最上級ラウンジで気になるのが席数だ。確かに対象となる人が少ないので、通常のラウンジより少ない席数になるだろう。ところが、最上級ラウンジを訪れる人は、特に利用頻度の高い人たちでもある。羽田とそれ以外の空港で顕著なのは、席数に余裕がある羽田と比べ、その他の空港では、便数の多い時間帯はかなり混雑していることもある。

 羽田以外の空港では、最上級ラウンジだけを広くするスペースの余裕がないのが実情。これまで羽田でサービスを体験した人たちを満足させるには、混雑を感じさせない工夫も必要になりそうだ。