10月4日、1969年から47年間使用されてきた、福岡空港の国内線第1ターミナルビルが閉館した。福岡には旧国際線ターミナルを転用した第3ターミナルなど、国内線のターミナルが3つある。今後は第2滑走路の建設を予定しており、今回の閉館は拡張工事の一環だ。

 1969年は大阪万博開催の1年前。米国の宇宙船アポロ11号が人類初の月面着陸に成功した年で、高度成長期にオープンした。今の空港と比べれば天井も低く、古さを感じさせる部分も多かった。

 第1ターミナルは熊本県の天草へ向かう天草エアラインなどの離島路線や、LCC(格安航空会社)が乗り入れており、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)などが乗り入れるほかのターミナルと比べると、どこかのんびりした雰囲気で、幹線がひっきりなしに飛ぶ空港のイメージとはちょっと違ったターミナルだった。

 このところ、福岡をはじめ幹線が就航する空港は、どこもターミナル改修が行われている。大阪の伊丹空港では、2018年のリニューアルオープンを目指し、ターミナルの改修が進む。札幌の新千歳空港も、昨年3月から2018年3月までの予定で、ターミナル南側から順次改修が行われており、大規模な空港はどこを訪れてもどこかしらが工事中だ。

 そして、沖縄の那覇空港も国際線ターミナルの拡張が進んでおり、9月21日には新立体駐車場がオープン。昨年12月に開業した部分を合せると、1226台が駐車できるようになった。

 こうしたターミナル改修と同時に進んでいるのが、大手2社が構えるラウンジのリニューアルだ。航空会社のラウンジは、多頻度利用者や上級クラスの乗客が利用できる。中でも、最上位の会員などが利用できる上級ラウンジの新設が相次いでいる。

伊丹空港に新しくオープンしたANAの「スイートラウンジ」(撮影:吉川 忠行、ほかも同じ)
伊丹空港に新しくオープンしたANAの「スイートラウンジ」(撮影:吉川 忠行、ほかも同じ)
新千歳空港に入るJALの「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」と「サクララウンジ」の受付
新千歳空港に入るJALの「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」と「サクララウンジ」の受付

 ANAの場合、通常のラウンジが「ANAラウンジ」、マイレージサービスの最上級会員向けは「ANAスイートラウンジ」と呼ばれる。JALでは、通常のラウンジが「サクララウンジ」、最上級が「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」だ。両社とも、最上級ラウンジに力を入れ、上顧客へのサービス向上で競っている。

 国内の主要空港では、どのようなラウンジが誕生しているのだろうか。昨年11月、伊丹空港に新設されたANAのスイートラウンジと、今年6月に新千歳空港にオープンしたダイヤモンド・プレミアラウンジを見てみよう。

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