JALは競技会を勝ち抜いた気鋭がメニューを監修
対するJALも、メニュー選定に競争原理を持ち込んでいる。
同じく国際線プレミアムエコノミーとエコノミークラスで提供するのは、才能ある若手料理人を発掘するコンペティション(競技会)「RED U-35(RYORININ's EMERGING DREAM)」の歴代ファイナリスト6人が監修したメニューだ。9月1日から3カ月ごと4回に分け、1年間提供していく。
第1弾となる9月から11月までの秋メニューでは、中華料理と洋食を用意。中華は、2016年開催のRED U-35でグランプリを獲得した、四川料理店「スーツァンレストラン陳」(東京・渋谷)の井上和豊シェフが監修した「マイルドエビチリ 翡翠(ヒスイ)ライス添え」を提供する。エビチリを食べやすくマイルドに仕上げたという。

JALによる日本発便のエコノミーで、中華料理が登場するのは初めてだ。植木義晴社長は2012年の社長就任以来、「どうして中華がないんだ」と、世界三大料理の一つである中華料理のメニュー採用を熱望してきたと話す。
しかし、機内食は食材や調理方法などの制約が多く、レストランと同じレベルのものを用意するのは困難。ましてや、ワンプレートで提供するエコノミークラスは、ファーストやビジネスクラス以上に難しい。
中華を担当する井上シェフは、「昔から流行っているエビチリと、サイドディッシュでは今、日本でも流行りの“よだれ鶏”を取り上げた」と、制約の中で中華料理らしさが感じられるメニューとして、エビチリを用意した。
一方で、中華といえば辛さやすっぱさなど、刺激的な味付けが魅力であるとともに、年齢や国籍により、好みが分かれる料理でもある。JALで機内食を担当する商品・サービス企画本部 開発部 客室サービスグループの綱島寛哲マネジャーによると、エビチリは井上シェフのコンセプトを崩さずに、マイルドに仕上げたという。「国籍や年齢を問わず、満足していただける機内食を目指した」と、自信を示す。

また、成田発ホノルル行きと、9月15日に就航した成田発コナ行きでは、2016年9月に始めた資生堂パーラーとのコラボレーションメニュー「資生堂パーラー for Resort」を継続。9月1日から新メニューの提供が始まった。
9月から11月までの秋メニューでは、メインディッシュ「やわらかなビーフのブランケット 伝統のチキンライスを添えて」と、サイドディッシュに「パテ・ド・カンパーニュ」を用意。春メニュー以降はビーフシチューなど、資生堂パーラーを代表するメニューを予定しているという。
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