海外へ向かう空の旅で楽しみというと、機内食が思い浮かぶ人が多いのではないか。日本人に人気の高い台湾路線のように、国内線プラスアルファの時間で着く距離であれば、現地での移動手段などを調べているうちに、着陸まであとわずかとなってしまうこともままある。

 しかし、10時間前後の長距離路線ともなれば、出発して1時間程度で用意される機内食が、空の旅に出たと実感するもののひとつではないだろうか。そして、機内食の満足度が次にそのエアラインを選ぶか否かを考える際、知らず知らずに影響を受けている人も多いのではないだろうか。

 筆者が初めて国際線に乗ったのは、1995年2月。全日本空輸(ANA)の成田発ニューヨーク行きだった。当時も今も、取材以外では飛行機に対する趣味的な興味はないが、この時にエコノミークラスで食べたビーフストロガノフのおいしさは、今でも強く記憶に残っている。

 人生初の機内食だったこともあるが、当時は一般的に、機内食に対しておいしいというイメージはあまりない時代だが、いつもは口にしないビーフストロガノフを、地上でも食べてみたいと思ったほどのおいしさだった。機内食に接する機会が多い現在も、このビーフストロガノフよりも味に感動があるかどうかが、一つの基準になっている。

ANAの試食会場に並んだ洋食と和食のメニュー

 その半面、エアラインで食べる機内食が、あまり好印象でなかったとすると、どうだろうか。長距離国際線ならまだしも、近距離や中距離であれば、LCC(格安航空会社)という選択肢もある時代。特にプライベートの旅行であれば、あえて運賃が高いFSC(フルサービス航空会社)は選ばない、という人もいるだろう。

 シートと並び、乗客の関心が高い機内食。国内の大手2社は、9月からエコノミークラスとプレミアムエコノミークラスの機内食メニューを順次刷新していく。しかし、ANAと日本航空(JAL)のアプローチは大きく異なるものだった。

 最新のエコノミークラス機内食は、果たしてどんなメニューになったのだろうか。